多様な教育のシステムが求められているのでしょうね

 この記事は、高等専門学校(高専)の教育現場の紹介で、特に沖縄高専の取り組みについて紹介しています。高専は、高度経済性成長期には、専門技能を持った若手労働者の排出を行っていたかもしれません。しかし、人生100年時代、そして高度のIT化社会の中では、高専の価値も変わってきたのかもしれません。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32608960U8A700C1X11000/

少し整理しましょう。今、大学4年を卒業した、就職活動を行った場合、大学の専門知識をどれだけ、入社時から使えるでしょうか。特に、科学、技術領域では、どうでしょうか。大学で学ぶ、科学、技術の領域は一般的なものが多く、企業に入った場合に求められる、ある領域に特化した専門性は、企業に入ってから習得します。つまり、「大学卒業=企業の求めているレベル」ではないことが多いのです。

これは、大学の教育のプログラムが、汎用的なものを目指しているからだと思います。一方、高専では現場で使う技術や技能を習得する時間も多いのでしょう。そのような理由から、高専の学生が参加される「ロボコン」のような活動に、大手企業が注目する理由もわかります。

別な視点でも考えましょう。人生100年時代に突入したと言われています。今までは、若い時期は「学びの時期」。成人したら「働く時期」と、何か境界線を置いていました。しかし、これから人生が長くなれば、「学ぶ」→「働く」→「学ぶ」→「働く」を繰り返しても良いのかもしれません。高専である技能を専門的に身に着ける。企業でその技能を使い、働く。大学に戻り、その原理や科学を勉強する。企業に戻り、研究者として活躍する。というキャリアパスも「あり」なのでしょう。

このように考えると、教育の再定義と、多様な教育システムの用意が必要なのかもしれませんね。

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本間 充 マーケティングサイエンスラボ所長/アビームコンサルティング顧問
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