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クリエーターエコノミーが花開く時に重要なキュレーション、キュレーターの存在

今朝スマートフォンに届いたClubhouseの通知を見て、Clubhouseの存在感がここまでの存在感を持つまでになっていることに驚きました。登壇者はFacebook CEOのマーク・ザッカーバーグ氏、SpotifyのCEOのダニエル・エク氏、カナダ初のコマースサービスで急成長中のSshopifyのCEO、トビ・ルーク氏、モデレーターは前テッククランチ記者のジョッシュ・コンスティン氏、という豪華な顔ぶれでした。

時差の関係で気づいた時には既にClubhouseでの会話は終了していたのですが数時間後には既にPodcastとして公開されてました。扱っているテーマが以前から興味を持っている「クリエーターエコノミー」ということで早速聴いてみましたが、Facebook, Spotify, Shopifyという巨大IT企業のCEOがカジュアルに会話をしていて、今までの大きなカンファレンスでの講演やパネルディスカッションとは異なるやりとりの様子がとても新鮮でした。

「クリエーターエコノミー」は米国テクノロジー業界では今最も旬なキーワードで、Clubhouseでの会話の中でもマーク・ザッカーバーグ氏が「(クリエーターエコノミーは)今インターネットで起きている最も重要なことだ」とまで語ってます。
ちょうど3月16日にフェイスブック社もクリエーター支援のためのプロダクトを近く投入する予定であることを発表し、まだ詳細までは分からないものの、有料オンラインイベント、短尺動画への課金の仕組みを提供したり、地方ジャーナリスト支援としてニュースレター配信システムや定額課金のしくみなどが近く導入されるようです。

広告ビジネスに依存しすぎたソーシャルメディアのビジネスモデルの限界、また規制強化、社会の分断などの負の側面が日に日に注目を集めるようになる中で、ソーシャルメディア企業がビジネスモデルの変容を余儀なくされていることが背景にあるのではないかと思われます。また、巨大企業でない個人であっても、情熱を持ったニッチ分野の情報発信、コンテンツ制作をすることで「稼ぐ」ことを可能にする課金システム、プラットフォームの進化ももこうした機運を強く後押ししているようです。

SpotifyCEOのダニエル・エク氏も今年始めに「クリエーター・サポート・プログラム」を開始し、才能ある音声コンテンツのクリエーターの発掘、共有、育成を支援することを打ち出しています。

エク氏はClubhouseの会話の中で1,000人の忠実なファン("True Fans")がいれば創作活動を続けていくことができると、かつて2008年にケビン・ケリー氏が唱えた考え方(日本語訳「1,000人の忠実なファン」)を紹介した上で、様々なニッチなテーマについての優れたコンテンツを、目利き力を活かして意味づけを行うキュレーターやキュレーションの役割が大事である、と指摘しています。

Spotifyの特徴の一つとして多くの人に利用されている「プレイリスト」がこのキュレーションという行為にあたりますが、音楽だけでなく、優れたブログ記事、ビデオ、映画、ポッドキャストなど、ありとあらゆる分野における「プレイリスト」作りの視点はとても大切なのでは、という想いを新たにすることができました。

ちなみに今回のClubhouseを主催したジョッシュ・コンスティン氏は現在はSignalFireというアーリーステージのスタートアップへのVC 投資会社に所属しながらも、今までのTechCrunchでの実績・人脈も活かす形で、自分自身がクリエーターとして縦横無尽に活躍しています。コンスティン氏のClubhouseのフォロワー数は既に350万人、日本時間の毎週金曜日に開催している「プレスクラブ」という名前のClubhouseのルームには毎週豪華なゲストが登場していて、来週金曜日にはWordpress CEOのマット・マレンウェッグ氏、セールスフォース COOで元Facebook CTOのBret Taylor(ブレット・テイラー)氏が登場することが予定されてます。

今週はNewsPicksでもクリエーターエコノミーの特集記事が掲載されていましたが、曲がり角を迎えつつあるソーシャルメディア、インターネットのあり方に今年は大きな変化が訪れそうな気がしています。

Photo by Alexander Shatov on Unsplash

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