常軌を逸するとは、人間が無意識に他の人間を透明化してしまうことなんだろう
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常軌を逸するとは、人間が無意識に他の人間を透明化してしまうことなんだろう

荒川和久/「結婚滅亡」著者
スクランブル交差点「人出、昨日と差ない」(東京・渋谷)/宣言下でも「昼飲み」盛況(東京・上野)/いつも通りのにぎわい(東京・戸越銀座)

この記事に書かれてある通り、大阪はともかく東京に関しては人出が減ったという印象はない。これに対して、小池都知事がこんなコメントを出しているのだが…。

人出が多いのは、あなたに対する無言の「NO」の意思表示ですよ。

実際、僕は今日浅草と上野を見てきましたが、人出云々の話よりも僕はこんな状況下の中でも飲食店をはじめ大小問わず沢山のお店の人たちが店を開け、懸命にそれぞれが生活のために、生きるために商売してる様を目の当たりにして感じる事が多々ありました。

浅草は、以前のインバウンド観光客でごった返すような状況ではありませんでしたが、それでも閑散としている感じでもなく、店によっては行列ができ、飲食店の中き満席だったりもしていました。

上野にも行きました。上野松坂屋はレストラン街こそ休業でしたが、他は通常通りの営業です。小売業としての矜持を感じました。アメ横も、混雑はしてませんでしたが、ほとんどの店が開業していて、いつもはもって大きな声量を出すんだろうなという店員さんが、やや小さな声で呼び込みをしていました。

隣の店が開けたからうちも開けようということではない。それぞれがそれぞれの判断で、当然感染防止の意識も高く、自分たちのできることをしようという決断の結果だろう。

集団主義だとか同調圧力だとか、右に倣えといわれているけど「日本人はまだまだ捨てたもんじゃないな」と誇らしくも思いました。「みんなと一緒」であるというのは、そもそも日本人としての本質ではないからです。

それについてはこちらに詳しく書いたので参照ください。

ですが、「コロナ怖い」となっちゃっている人はご自由にステイホームでもなんでもすればいいです。ご自分の選択なんですから自由です。しかし、そうした人に限って、店を開ける人や外出する人を非難する。何度もいうが、懸命に生きて行動する人たちを自分の尺度と違うからといって非難して、無理やり支配させようとするその性根は捨ててくれ、と言いたい。

どうして統一させようとしたいのか、どうしてみんなが一緒じゃないと腹が立つのか、それこそが差別感情の源であり、残酷な仕打ちを他者にしてもなんとも思わなくなる「恐怖の理屈付け」の起点になるものだと理解したほうがいい。

緊急事態宣言だけではなく、この一連の1年以上にわたるお上のやりように対して、全体的に僕は否定的です。冒頭の日経の記事にこんな写真がありました。

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東京・有楽町で今日、都庁職員や警察官ら約20人がプラカードを持って外出の自粛など感染対策を呼びかけたらしいです。警察官はともかく都庁職員ってこんなことのために休日出勤させられてるんですか?うすら寒いものを感じます。これも小池都知事の命令ですか?こんなことをするために彼らは公務員になったのだろうか?

こんなことも言ってました。

もうご自分が何を言ってるのかすらわからなくなっているんでしょう。そして、おかしなことをいう上司に誰も「それはおかしい」といえない都庁の人たち。ひとりひとりが冷静にご自分と向き合った方がいいんじゃないですか?

こういうことを言うと、「感染爆発している現状では人流を止めることが最善の策であり、それをやらなければ店を開けることすらできなくなる」というお叱りの言葉が来るのですが、そもそも論として何度緊急事態宣言をやろうとも、コロナウイルスを完全駆逐できるわけがないのですよ。次々と変異ウイルスが出るたびに延々とこんなことを繰り返すのでしょうか?

「コロナに勝つ」とか「これは有事である」とかの言葉を使いたがりの人が多いですが、僕はそうは思いません。

ウイルスを統制できるとか、支配できるとか、駆逐できるという考え方そのものが思い上がり。ウイルスとは戦うのではなく、仲良くするしかない。仲良くとは共存であり、うまく付き合っていくということ。それしか道はない。

そして、欧米諸国に比べれば、日本は今までも「うまく付き合ってきた」といえるでしょう。人口100万人あたりの死者数は1年以上経た今も日本は75くらいです。アメリカは1762、イギリスは1800を超えます。

「それは2020年の話だ。今はそれとは比べようもないほど感染者数が拡大している。これから日本も欧米並みになる可能性もある」という人もいます。

可能性はゼロじゃないかもしれませんが、これも1年前からずっと言い続けているように、感染者数を追い続ける意味はない。死者数で見るべきです。

イスラエルはワクチン接種率が100%を超え、市民もマスクをはずして外食を楽しめるようになったと言われます。イギリスも65%以上の接種率で死者数が大幅に減ったと報道されています。では、ワクチン接種率がまだたった2%しかない日本は相当ひどいことになっているでしょうか?

 4/18-24の1週間の人口100万人当たりのコロナ死者数を比べたのが以下です。

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相変わらずのアメリカは別にして、ワクチンをほとんど打っていない日本とほぼ全員が打ったイスラエルとで死者数は変わらないのですよ。こういう事実は決して「モーニングショー」や「ひるおび」では報道されない。

別の視点から批判も来ます。「大阪のように今や医療崩壊になっているんだ。助かる命が助からなくてもいいのか」と。

コロナによる死者は累計でもまだ1万人に達していません。2021年1月以降は平均して月1900人の死者を出していますが、今日本では毎月11万人以上が他の病気や怪我や事故で死んでいます。コロナの死者は全体からすればわずか1.6%にすぎない(2020年の死因別統計はないので2019年の出たと比較)。

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言い方を変えれば、申し訳ないけど、医療の現場では、1.6%のコロナより救わなければいけない命がたくさんあるのです。そもそも月1900人死亡は腎不全死亡者よりも少ない。B型肝炎や結核などの感染症全体と変わらない。2020年の実績に至っては、インフルエンザの死亡者数と変わらないわけです。

人の命を数字で語るなという批判もあるが、医療の現場ではトリアージという命の選別は当然です。むろん、コロナを侮るつもりはありませんが、極度に不安と恐怖を煽るマスコミなどにつられて、個々人が常軌を逸しないようにしていただきたいものです。

前にも書きましたが、太平洋戦争に突き進ませた最大の要因は、政府でも軍部でもない。マスコミであり、マスコミが煽った国民感情です。感情で動くなというのは無理な話なんですが、とはいえ、一度冷静に客観的な事実は何かを見つめなおす時間を持つことは大事です。


こんな発言もありました。

「感染防止だけを考えるならば、国民全員2週間ぐらい外出禁止にして食事も配給制かなんかにするのが一番いい」

恐怖と不安に苛まれた人間はここまで視野が狭くなるのかと思います。何度も言うが、そんなことでウイルスはなくならないし、そもそも全員がひきこもることなんて現実的に絶対に不可能。ありえないが、百歩譲って、それが実現できたとしよう。じゃあその配給の食い物を誰が作るんです?誰が運ぶんです?あんたが透明化した人間によって、自分が生かされていることを肝に銘じないといけない。

同様に、リモートワークするのが正しくて、できない者をまるで無能のように喧伝する奴もいたけど、あまりに社会を知らなすぎではないの?

ウイルスばかりに気を取られて、大事な何かを見失っていませんか?人間を人間が透明化するんじゃない。

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荒川和久/「結婚滅亡」著者

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荒川和久/「結婚滅亡」著者
11/13に新刊「結婚滅亡」が発売です!他著書「ソロエコノミーの襲来」 「超ソロ社会」「結婚しない男たち」等。東洋経済等でコラム執筆したり、テレビ・新聞によく出ます。独身研究家として活動させていただいてます。メディア出演・執筆・対談・講演のご依頼はFacebookメッセージから。