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ポスト・コロナ時代の海外カンファレンスの新しい歩き方

ポスト・コロナ時代の新しい社会のあり方やビジネスのあり方を模索している人にとって、これからの「海外カンファレンス」はとても注目に値するのではないか、ということを感じます。

今まで海外のカンファレンスにする際には参加費、渡航費・宿泊費、そして移動も含めた費用と時間をかけて参加する必要がありました。もちろん現地で同じようなテーマに興味を持つ専門家、投資家、将来のパートナー、顧客になりうる人との新しいつながりを生まれるきっかけにもなり、そのかけがえのないネットワーキングの機会は海外カンファレンスならではかもしれません。ただ、新型コロナウィルスの感染防止のため、今年一杯は大規模イベントは難しいことが見込まれてますし、来年以降も以前のような数千人規模のイベントがかつてと同じ様に開催されるかはまだ誰にも分かりません。

日本でも知名度がある「サウス・バイ・サウス・ウェスト(SXSW)」、「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」、「TED」などは3月上旬の段階でキャンセルとなり、今後の感染拡大の不安な行く末を多くの人が感じるきっかけになりました。

一方で、国内でもウェビナーが数多く開催されるようになり、バーチャルイベントの開催も増えつつある中で海外を見渡した際、完全にバーチャルで開催するカンファレンスが少しずつ増えつつあることに気づきます。

例えば、テック系のカンファレンスの「Collision」(コリージョン)」は、3日間のイベントにスピーカーが450人、参加者も3万人規模で6月下旬にオンラインでの開催が予定されています。Collisionはスタートアップ分野の世界最大級イベントといわれるリスボンで開催される「WebSummit」主催者が北米で仕掛けるイベントですが、元々イベント運営の裏側でソフトウェア開発に力を入れていることが今回こうした機動力を発揮している要因のようです。

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メディア業界のトレンドを紹介するポッドキャストのRecode MediaでもCollision/Web SummitのCEO であるPaddy Cosgrave氏をゲストに迎え、テクノロジーを活用することでかつてのような偶然の出会い、ネットワーキングの機会を創り出すことができる、という点が力強く語られています。

「海外カンファレンス」に注目しているのは以下のような理由からです。

①飛行機の移動やホテルの予約をしなくても自宅から参加できる点
②カンファレンス参加費が無料から数千円、数万円規模でも良質なイベントが数多く開催され、以前よりも参加のハードルが下がっていること
③ウェビナーで単に話を聞くだけではなく、参加者同士のネットワーキングを可能にするテクノロジーが少しずつ誕生、進化している点
④興味あるセッションは早送りや遅く再生することで後日効果的にコンテンツを消費することができる点
⑤これから開催されるカンファレンスを眺めることで旬なテーマ、また旬なスピーカーを見出して、新しいトレンドを見つけることができる点

特にテクノロジーの進化に関しては様々な試行錯誤が行われていくことと思いますが、先ほどのWeb Summitも投資している「Hopin」というサービスは今までのカンファレンスでの経験をオンラインで実現させる上で注目されているスタートアップの一つです。カンファレンスの合間のロビーでのコーヒーを飲みながらの偶然の交流、少人数でのグループセッションで生まれる繋がり、パーティや朝食でテーブルを囲みながら得られていたような深いつながりがどのようにオンラインで実現されるようになるか、今後も数多くのスタートアップ企業が誕生し、新たな可能性が生まれていくことと思います。

また、今朝の日経電子版でも紹介されていた「ヴァーベラ(Virbela)」のような、アバターを利用して仮想空間の中で交流を可能にするサービスもとても可能性がありそうです。無料でアカウントを作成することで実際に体験出来ますが、仮想空間の中で音声やテキストで会話しながら知らない人とでも共通のテーマで交流ができる未来を強く感じさせてくれます。

6月下旬に開催されるCollisionでは独自のシステムを利用して参加者同士の交流の促進を目指すとのことですが、まずは今回参加して後日レポートしてみたいと思います。スピーカーは約450人が予定されていますが、例えばメディア業界のスピーカーを見ただけでも、Financial Times、 The Information、Netflix、BuzzFeed、Washington Post、New Yorker、South China Morning Post、CCTVなどのCEO、編集長らが数多くが登壇予定で、とても楽しみです。

今後海外で開催されるメディア、テック系のイベントはこちらの公開グーグルカレンダーに追記して、自分用の備忘録にしたいと思っています。よろしければ併せて是非ご参照ください。

海外カンファレンスカレンダー curated by @socialcompany 

Photo by Chris Montgomery on Unsplash

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