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成功するまで何度も挑戦する、誰よりも早く

ネット社会に移行する中、次世代に勝ち残る人材の姿も変わっていきます。私は次の2タイプの人材の存在感が増すと考えています。一つはキャリアのオーナーシップを自分自身で取っている人です。一昔前の会社人間タイプのサラリーマンとは大きく違います。一言で言えば「株式会社自分」とか「株式会社俺」ですかね。
1つの会社に属しながら、いい意味で会社を利用するビジネスパーソンです。副業・兼業したり、他の会社の起業家に寄り添ったり、時にはボランティアをしたりするなど、自分の意思で仕事をうまくコントロールする人です。そして、その会社でキャリアアップの機会がなくなれば、転職したり、起業したりする。副業・兼業を認める大手企業も相次いでおり、このタイプの人が増えています。

いつも、お世話になっております。社畜松本でございます。

これまでロックオン (現イルグルム)、デコム、JX通信社とそれぞれベンチャー企業を渡り歩いているので、さぞかし上昇志向かと見られていそうですが、弩級の社畜です。会社大好き、仕事大好きです。リンクトイン村上さんが小馬鹿にしている、一昔前の会社人間タイプのサラリーマンです。

どれくらい社畜かと言えば、ロックオンのベトナム支社の宇野さんに「ベトナム手伝って」と言われて2つ返事でベトナムに1ヶ月滞在したぐらい。あるいは2回東京に転勤したぐらい。人事に「ノー」って言ったの、1回しか経験無いんじゃないかしら。

それはともかくとして、37歳にして3社連続ベンチャー企業を渡り歩いていると、それが強みであり弱みでもあります。

例えば、社内で起きている成長痛が「ロックオンでもあったなぁ」と俯瞰できるのは強みです。あるいは、過去に歩いた勝ちパターンを移植して再現できるのも強みかもしれません。

一方で、大企業や楽天やヤフーのようなギガベンチャーに在籍した経験が無いので「大量リソース(人・物・金)を動かす仕事」を分かっていないのは弱みです。

特に、ベンチャーでの戦い方と、大企業やギガベンチャーの戦い方は本質的に異なるようだと考えます。ベンチャーはとにかく大ヒットを飛ばす、99回の失敗よりも1回の大成功が褒められます。局地戦でも、桶狭間のように大勝利を掴めば良い。

一方で大企業やギガベンチャーは打席に立って一定の打率が求められる…ように見えています。そりゃ、市場規模に合わせた企業規模なのですから、それらを維持するために一定の打率は必要でしょう。常勝軍団の戦い方です。

よくベンチャーが「挑戦者」と例えられるのは、勝ち筋を見つける挑戦に挑んでいるからではないでしょうか。勝ち筋が見つかれば、後はそれを徹底的にやり続ければ良いのでリソースが物を言います。

なんで、こんな話を冒頭に書くのか。それは社内で次のような話をしたからです。

サイコロを何度試行するか?

失敗しないための唯一の方法は、成功するまで挑戦し続けることです。ただし勝ち筋が無ければ撤退しなければならず、そのバランス感覚が大事なのですが、それはまた別のお話。

挑戦し続けることを、6面体のサイコロをふるゲームに見立てます。「6」がでれば成功です。それ以外は失敗です。

1回だけふると、失敗する確率は5/6で、成功する確率は1-5/6=1/6です。

2回ふると、失敗する確率は5/6×5/6=25/36で、どちらかで「6」が出れば良いので成功する確率は1-25/36=11/36です。

サイコロが1つ増えるだけで、失敗する確率が30/36から25/36に下がりました。一方で成功する確率が6/36から11/36に上がりました。

4回ふると、失敗する確率は5/6×5/6×5/6×5/6=625/1296で、4ついずれかで「6」が出れば良いので成功する確率は1-625/1296=671/1296です。いよいよ、4つサイコロを同時にふって全て「6」以下の確率が50%以下となりました。

ちなみに10回ふると、失敗する確率は9765625/60466176で16.2%になります。さすがに10回となると失敗する方が珍しい。

すなわち失敗しないためには、以下3つが極めて重要だと言えます。

①サイコロのふる回数を増やす
②サイコロの面の数を減らす
③当たりの面を増やす

ビジネスを当てることは運なのかと思われるかもしれませんが、当たる確度を高める行為はできるでしょうが、最後の最後は「運」だと思っています。ただし、1面体の当たりしかないサイコロか、6面体の全て当たりのサイコロにすることは出来るかもしれませんが。


大企業・メガベンチャーに勝つためには?

ベンチャー企業も、大企業・メガベンチャーも①〜③の条件は一緒です。大きな違いが出るのは①でしょうか。とにかくリソースがあるので、いきなりパワープレイが可能です。駅前で「モデムいかがですか?」と売り歩くことができるのです。

ただし往々にして、効果測定をしよう、ふる前にジックリ考えよう等言ってサイコロをふる間隔が開きがちという特徴があるようです。未だにPDCAサイクルに囚われてしまい「まずはプランだ」と考えている人も中にはいるようです。

ベンチャー企業が大企業・メガベンチャーに勝つには、サイコロをふる間隔が開いている間に次のサイコロをふることでしょう。

もちろん、面の数を減らすか当たり面を増やして、当たる確率を高める=効果測定をして筋の悪い案は却下する等の取り組みは必要です。しかし、それは「次のサイコロを投げるため」であって、それ自体は目的ではない。

ロックオン時代、若かった私は"走りながら考える役員・マネージャー陣"を見て「走るなら走る、考えるなら考える」と批判した記憶があるのですが、今にして思うと絶対的に正しい。速度で負けてはならないからです。

そもそも、戦略レベルは1度決まると、よほどのことが起きない限り変化するわけでもなく、あとは作戦・戦術レベルの話であり、前に進みながら考えるしかありません。それは走りながら、都度考える(=サイコロを何度もふる)と良い。

私自身、大企業病とは「サイコロを投げる前に異様に時間がかかる病」だと考えています。例え人数が少なかろうが、サイコロの投げる試行回数が少ないなら、それは大企業病です。

とにかく試す。やってみる。

想像や妄想で「失敗しそう」と躊躇するなら、実際にやってみて「こういう理由で失敗した」と血を流した方が得るもんは大きいです。

「1回の試行でかかるリソースは見極めるべきだ」という意見もあるんでしょうが、球数制限された江夏豊じゃあるまいし、他に案が無いならやればいいじゃん、というのを過去のキャリアで学びました。

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