2020年の注目のビジネスは、「コンセプター」だ。
日経COMEMOの企画で、「2020年、世の中を席巻することになるビジネスは?」という企画があったので、私も勝手な予想をしてみます。多くの場合は、注目のビジネスや、話題になっている事象から、流行るビジネスを考えるのでしょうか。
私は、あえて流行ることから考えるのではなく、世の中のPain(困りごと)から、流行るビジネスを考えてみました。
私の予想は、「コンセプター」という仕事
そんな肩書き、流行っていませんという方もいるのでしょう。しかし、実は多くの人が「コンセプター」を求めているのではないかと考えます。それも、経営者が求めているのです。つまり、コンセプターという仕事には、世の中のニーズがあると考えます。
コンセプターとは、コンセプトを考え、提案する人のことです。新しい概念を創り、言語化して、説明・提案できる人のことです。
(コンセプターの代表的な人物:坂井直樹氏の記事)
新しい技術や、新しい生活スタイル、新しいビジネスが、常に登場します。今は、この登場の速度や種類が大変多い時代です。経営者や事業を行いたい人の中には、これらの新しい「コト」の登場を、概念的に理解し、ビジネスに活用したと思っているのではないでしょうか。
単純に、「AI」が何かということを知るのではなく、「AI」を使った新しい生活はどのようなものになるのか。その時に、どのようなビジネスを創出したら良いのか。さらには、AI活用時代に、何が生活の質になるのか。このようなことを、わかりやすく解説し、AIを活用した生活について、「〇〇生活」のように名前を付けてもらいたいと思っている人がいるのではないでしょうか。このようになコトをできるのが、コンセプターという仕事です。
技術によるニューワールドを理解できいる経営者はどれだけいるのか?
少し具体的な事例で、コンセプターが流行る、いや求められている理由を説明しましょう。
(AIというキーワードで、検索した結果)
上記のように、実際、日々AIの記事は、増えています。しかし、このAIを理解している経営者はどれだけいるのでしょうか?しかし、一方で、AIと自社のビジネスを真剣に考えている経営者は、たくさんいるのではないでしょうか?
このようなときに、コンセプターがAIの活用時代について、新しい概念を提示してくれれば、経営者は、そんなことが起きそうと考えるか、違うかを考えやすくなるのです。
コンセプターは、ある意味、考えのモック・アップの提示者です。人は、モック・アップやベータ版のように、ある事象についてわかりやすい形式にされたほうが、理解しやすくなります。図形を言葉で説明するよりも、実際に書いて説明したほうがわかりやすいことと、ほぼ同じ体験です。
コンセプターは、技術や生活の変化を、わかりやすく言語化することで、関係者の理解や議論を深める手伝いをしてくれるのです。
コンセプターは「言語化する人」でもある
このコンセプターの「言語化する」という能力は、非常に重要なスキルではないでしょうか。未知・未踏の世界を、わかりやすい比喩や言葉で、イメージを抱きやすくするスキルです。
この言語化は、技術進化の早い時代には、非常に重要なのでしょう。例えば、携帯電話の通信速度が、5Gになり、高速になるというのは、技術的な説明です。しかし、ビジネス・パーソンは、そのことにより、起きる生活の変化や、ビジネスの変化を知りたいのです。コンセプターは、ビジネスや生活の変化を、新しい概念として、言語化するのでしょう。そのことにより、ビジネスのアイディアが生まれのです。
技術の言葉を、ビジネスや生活の言葉に言語化する。このような、仕事は求められているのです。それが、コンセプターなのです。デジタルの時代だからこそ、高度な科学技術の時代だからこそ、誰でもがわかる言葉や、誰でも議論できる概念を提示する仕事。このコンセプターという仕事が、2020年の注目のビジネスではないでしょうか?
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