ミッション・ビジョン・バリューってむずかしいから、勝手につくり直してみた。
経営やブランディングの世界でMVVと言うと「ミッション・ビジョン・バリュー」の略で、ちゃんとした会社なら決めておくべき3つのコトのように言われている。
このMVVは「もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)」でも知られるドラッカー大先生が提唱したとされている
が、
実際これに沿って企業の経営指針を考えようとすると、結構考えにくい。
「経営の神様」とも言われる大先生がつくった考え方なので、たぶん僕の理解力の問題だろう。
ただ、このままだとモヤモヤするので、自分なりにつくり直してみた。
今日はそんな話。
■それっぽい構造。それっぽい説明。
わからないビジネス用語があると、すぐに画像検索をしてしまう。文字を読むより、右脳で理解できるからだ。
さっそくMVVでもやってみた。
どうやらピラミッド構造で捉えるのが、一般的らしい。
また、ミッション・ビジョン・バリューを日本語でどう訳すかはサイトによってマチマチだが、こんな表現が多い。
ミッションとは「存在意義」
ビジョンとは「ありたい姿」
バリューとは「行動指針」
ふむふむ。なんだかそれっぽい感じはするが、違和感が3つほどある。
■日本語なんか違くない?疑惑。
1つは日本語訳に対する違和感だ。元の書籍がそうなっているのかもしれないが、意味が変わりすぎている気がする。
そこで誠に僭越ながら、書き換えさせてもらった。
主語を揃えて足した。
これらは大抵「うちの会社はどうするんだっけ?」という時に使うフレームワークなので、「自社が(の)」と入れて主語を明確にした。
その上で元々の意味に近い訳をする。ミッションはそのまま「自社の使命」、ビジョンは「自社が描く理想の未来像」、バリューは「自社が持つべき価値観」だ。
うん。だいぶシンプルになった。
ただまだ違和感が残る。
■ミッションとビジョン逆じゃない?疑惑。
次に湧いてくる疑問は「ミッションとビジョンってどっちが大事なんだっけ?」という点だ。
こういう時は「目的と手段」で考える。
ミッションとビジョンは、どっちが目的だろうか。
現状だとピラミッドの頂点がミッションなので、仮にミッションが目的だとする。
すると
目的:自社が使命を果たす
そのための手段:理想の未来を実現させる
になってしまう。どうもおかしい。
自然なのは、きっとこうだ。
目的:理想の未来を実現させる
そのための手段:自社が使命を果たす
うん。しっくりくる。
やはり経営にとって大事なのは「どんな未来を理想とするか?」であり、ミッションはそのための手段に過ぎない。だから経営者はビジョンを語る。
これまでMVVという略称に囚われて、ミッションを常に最上位に置いていたが、考えやすいのはVMVではないだろうか。
だいぶスッキリしてきたので、最後の違和感を解消したい。
■ピラミッド構造が向いてない疑惑。
最後の違和感は構造だ。
僕は普段からTwitterで様々な事象を構造にしている。
構造化で重要なのは、内容と構造の関係性だ。
ベン図がいいのか、マトリクスがいいのか、樹形図がいいのか、伝えたい内容と使う構造の相性には気を付けている。
そう言った視点で見ると、
「これってピラミッド構造で表現することだっけ?」
と、感じてしまう。
ピラミッド構造は、
・1つの軸で
・ランクが分かれていて
・下のランクほど数が多い時
に便利な構造だ。いわゆるカースト制度的なもので、マーケティングでは会員を階層化する時に使うことが多い。
MVV(改めVMV)は、軸もバラバラだし、量と質の相関がある内容でもない。
ピラミッド構造にすると確かにそれっぽいのだが、「いざ考えよう」という時は適さない気がする。
■結果、1行にしてみる
と、モヤモヤを整理してたどり着いたのがこれだ。
とどのつまり、MVVはこの1行でいい気がする。
構造としてはこうだ。
まず、自社はどんな未来を実現したいかを考える。(これがビジョン)
次に、その未来を実現するために自社が成すべきことを考える。(これがミッション)
最後に、それを成し遂げるために必要な価値観を考える。(これがバリュー)
考える順番は①→②→③がシンプルだが、行き詰まったら逆にしてみるのもアリだろう。
と、フレームだけ紹介するのも偉そうなので、最後に「もし小島雄一郎の活動が企業だったら」という仮定でフレームを埋めてみた。
どうだろう。
シンプルにできているだろうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。よかったらこのフレームを使ってみてください。
サポートいただけたらグリーンラベルを買います。飲むと筆が進みます。