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トランプ大統領、来日ですね。暑い中警戒に当たる警察官の皆さん、お疲れ様です。

さて。今や米国は世界最大の産油国となりました。「Our country has greater energy resources than any other place on earth.(我々の国は地球上のどの場所よりエネルギー資源に恵まれている)」(共和党の選挙向け政策綱領RepublicanPlatform2016第3章)と自らを評する通り、石油、天然ガス、石炭いずれの化石燃料資源も豊富に産出し、広大な国土のおかげで再生可能エネルギーの導入においても有利な立場にあります。

文中にも出てくる「米国第一主義(America First)」を越えて、エネルギーについては、Energy Dominance (エネルギー支配)という言葉が使われています。2017年6月、米国エネルギー省のイベント「米国のエネルギーを束縛から解き放つ(Unleashing American Energy)」において、「米国は無尽蔵ともいえるネルギー資源を有しており、これを活用して長年追求してきた米国のエネルギー独立(American energy independence)のみならず、米国のエネルギー支配(American energy dominance)を目指す。」と明言しています。

電気の約8割を化石燃料に依存しているにも関わらず、化石燃料資源をほとんど持たず海外からの輸入に依存している日本。再生可能エネルギーを増やそうにも国土が狭く山がちこともあって(*それ以外の要因も多々あるので、そこは徹底的に改善する必要がありますが)、なかなかコスト低減が進んでいない日本。「エネルギー支配」という言葉に対しては、もっと敏感に米国が何を考え、何をしようとしているのか話題になっても良かったと思いますが、ほとんど報道もされなかったように記憶しています。

日本では、食料自給率は政治的にも話題になることが多いのに比べて、エネルギー自給率という言葉の認知はほとんど無いような気がします。今の日本のエネルギー自給率はわずか8%程度。自給エネルギーにカウントできるのは再生可能エネルギー(日本に吹く風、日本に照る太陽、日本に流れる水でエネルギー作るわけですので、当然純国産のエネルギーです!)と原子力(ウラン燃料は海外から輸入しますが、燃料棒は一旦装荷すれば年単位という長期で発電し続けてくれますので、自給率にカウントして良いというのが国際的な考え方。さすがにオイルショックなどのような事態が起きてもそれだけの時間的猶予があれば解決しますからね)だけですが、再生可能エネルギーは伸びているものの原子力がほぼ停止していますので、こんな数字になってしまっている訳です。でも、食料自給率がたとえ100%でも、エネルギーが途絶すれば運べなくなります。食料自給率だけ向上させても、決していざという時に十分に備えたことにはなりません。

エネルギーを制する者は、世界を制する。という可能性も十分にあるのがエネルギー。エネルギーで制せられる者は、どう生き残っていくかをもっと真剣に議論しなければと思います。




#COMEMO #NIKKEI

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