アントレプレナーシップ教育で日本を元気に。
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アントレプレナーシップ教育で日本を元気に。

伊藤羊一 Voicyパーソナリティ

 スタートアップ支援が国の方向性として具体的に方針となってきた。

 岸田首相は、2022年を「スタートアップ創出元年」と位置づけ、今年の骨太の方針では「スタートアップ育成5カ年計画」を策定。スタートアップを5年で10倍に増やす大きな目標を打ち立てた。

 これは多くの方が様々な場所から献身的にスタートアップ支援を行なってきた成果だ。そして私も微力ではあるがスタートアップ支援を行なってきた。

 この記事に出てくるデロイトトーマツベンチャーサポートの斎藤祐馬社長は10年来の知人で、彼が立ち上げ、会社として主催してきた「モーニングピッチ」には草創期から前職プラスの幹部として参加し、ベンチャー企業とのコラボを進めてきたし、Zベンチャーキャピタル(堀新一郎社長)が主催するアクセラレータープログラム”code republic”では、立ち上げ時よりプレゼンのメンターを行なってきた。

 その他にも、様々なアクセラレータープログラム(スタートアップと大企業の協業を通じて行うスタートアップ支援)のメンターを務め、主にスタートアップのプレゼン力強化を行なってきている。

 そしてこうした動きと呼応するように、「アントレプレナー教育」「アントレプレナーシップ教育」も盛り上がってきている。

 少々古い記事ではあるが、こちらは茨城大学さんでの取り組み。

 記事内に

武蔵野大学(東京・江東)がアントレプレナーシップ学部を開設したが、

(同記事より)

と書いていただいているが嬉しい。

 最近の記事ではこちら。広島大学さんも、22年度からアントレプレナー教育を全学生に義務づけたとのこと。

 もちろん他にも以前よりアントレプレナー教育を行なっている大学もあるし、

 こうした形で、小中高でも起業家教育の波が少しづつ、生まれてきている(私自身も、東京都が行う高校生向けの起業家教育プログラムの講師も務める)。

 私は、武蔵野大学で2021年4月に開設された、日本の大学で初めてとなる「アントレプレナーシップ学部」の学部長として、大学での「アントレプレナーシップ教育」を通じてこの流れをサポートしていく。

 世間では、起業家教育は起業家でなくてできるの?とこの流れに懐疑的になっている「著名人」やアントレプレナーも数多いるが、私はこれをしっかりと手法として構築していけると考えている。
 最初は、ほぼ全員実務家教員を配備することで、社会の最前線と繋がっていることを前面に出していくが、その後どういう形でアカデミックと繋がっていくか、そのバランスを勘案しながらサスティナブルな教育体制を整えていく。という前提で、特徴は以下の通り。

実践しながら、スキルやマインドを鍛える
 大学でスキルを学ぶ、マインドを鍛えるのは当然大事なのだが、「実践は社会に出てから」となりがちだ。意味はわからないわけではないのだが、やはりそれだと、鍛えたはずのスキルやマインドが風化するし、何より、
 「自転車の乗り方だけ理論的に学んで、実際に乗ってみるチャレンジはしない」
では、できるものもできない。学んで、同時にチャレンジすることが大切だ。
これは、高校の「探求学習」と同様だ。
だから私たちは、スキルやマインドを鍛えながら、「実践」を授業の中で行う。

 これは授業の場だけではない、海外に短期研修で行って海外のスタートアップとディスカッションしたり、インターンシップも、教員のつてを中心に現場感溢れる会社の皆様と、一からディスカッションしてつくりあげる。

 マインドについて。まず起業家、実務家から刺激を受ける。これは教員からも刺激を受けるし、ゲストからも刺激を受ける。私たちの学部では毎週最低1名、起業家をゲストに呼んで様々な話を伺う。

 しかしこれはスタートに過ぎない。起業家から刺激を受けても、行動しなければ何にもならないからだ。そのために、自ら内在する想いを育んでいくために、徹底的に、学生同士で対話していく。教員はファシリテーターとなる。

 対話を通じて自分自身を見つめ、価値観を追求し、倫理観を学びながら、自らの人生を本能と直感に従い、決めていく。これは長年、Yahoo!アカデミアで行なってきたスタイルだ。

 スキルについて。これは当然ながら知識を「インプットする」だけではない。使える知識、スキルにする必要がある。そのため、実務家教員がケースやロールプレイ、実践という形にして、インタラクティブレクチャーやグループワークを通じて指導していく。ここでも教員はファシリテーターだ。単なる「座学」は殆どない。

 加えて、知識やスキルを身につけるだけでも不足だ。考えてそれを実行し、問題解決につなげることが重要だ。
 だから私たちは、「クリティカルシンキング」すなわちイシューを立て、事象を構造化し、解決策を順を追って考えていくことにこだわる。1年、2年の間は、「頭に汗をかいて考える」ことを徹底的にやりぬく。

 そしてさらに。自身にアントレプレナーシップを定着するには、学びのサイクルを自らの中に構築していくことが不可欠だ。すなわち、実行し、振り返り、気づきを得て、また実行していく、というプロセスだ。

 成長は、気づきの回数で決まる。それを全教員が自らの成長の糧で学んできているので、徹底的に振り返りを行い、自ら気づきを得るプロセスをつくりあげる。そうすると、実践科目でやった学びからの気づきがスキル科目で活きるし、マインド科目で対話したところからの気づきが実践に活きる。

 そうすると、学生自身の授業内外での接触が学びの質を決める。だから私たちの学部では、1年生は全員寮に入り、寮でともに学ぶ。私もウィークデーは寮で学生たちと寝食をともにする。夜通し語ったプロジェクトが、起業するうえでのビジョンになっていく。

 全てのことを、整合的にシステムとして実施していく。もちろん、理想形はまだまだほど遠い。しかし、学生たちと協議し、教員間で協議しながら、「起業家」だけでなく、より多くの「アントレプレナーシップをもった社会人」を生み出していく。

 起業家を産むこと、アントレプレナーシップを教育で育てることは不可能だ、と多くの人が言った。
 私はそれは可能だと信じている。そしてそれが日本のスタートアップ支援につながり、日本のパワーにつながると信じている。だから私は、この新学部をつくっていくことに、心からの喜びと充実を感じている。

 2021年4月に開設したこの学部、2025年3月に最初の卒業生が輩出される。ただ、現時点でももう、確信に近い感触をもっている。
 もし興味ある方がいらっしゃれば、遊びにいらしていただきたい。
 教育の未来を語ろう。日本を元気にしよう。



 

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伊藤羊一 Voicyパーソナリティ
Zアカデミア学長(Zホールディングス)/武蔵野大学アントプレナーシップ学部長(武蔵野EMC,2021年4月開設)/株式会社ウェイウェイ代表。著書53万部超の「1分で話せ」(2もあり)「0秒で動け」「1行書くだけ日記」「ブレイクセルフ」「FREE FLAT FUN」など。