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世界経営者会議 米アクティビストは日本企業を変えるか

第23回日経フォーラム世界経営者会議DAY1-2
バリューアクト・キャピタルのパートナー、ロバート・ヘイル氏とモデレーター日本経済新聞社 金融グループ次長 兼 NIKKEI Financial副編集長、川上 穰氏による「企業変革 - 新時代の価値創造」を視聴しました。

アクティビストとは企業に対し、事業再編などの経営戦略や配当など株主還元について提案することで株価を高めて、利益を得ようとする投資家の総称のことです。バリューアクト・キャピタルもそのようにカテゴライズすることもできるでしょう。

バリューアクト・キャピタルは2000年に設立されています。ソブリンファンドなどの機関投資家からの委託を受け140億米ドル以上を運用する投資会社でカリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置いています。

高い成長が期待できるにも関わらず株式市場で割安に放置されている価値ある企業に投資をし、取締役会や経営陣と協力をして、グローバルチャンピオンとなるべく、変革の努力を支援することを目指します。 

バリューアクト・キャピタルは、北米、ヨーロッパ、アジアの49の上場企業の取締役を務めてきた実績があり、日本では2017年以降、オリンパス株式会社、任天堂株式会社、JSR株式会社、株式会社セブン&アイ・ホールディングスの4社に35億米ドル以上を投資しています。

バリューアクトのパートナーは2000年設立当初は北米だけに集中しており、2006年からヨーロッパにも進出をし、海外投資をスタートしました。2017年に日本に投資をスタートさせ、オリンパスの成功事例があります。

グローバルなメディカル企業を目指していた経営陣と目的が合致し、オリンパスは大きな変革を遂げ、株価は約3倍に上昇しています。

米での経験や医療業界の情報を持っている同社のことを経営陣が経営陣が信頼をしてくれたということです。

バリューアクト・キャピタルは成功を遂げた後も投資をし続けるのかに関して、5-10年などのスパンでアクティビストとして参加している間だけではなく、そのあとも成功して欲しいという、もっと長期的にも考えて投資決断をするようです。

これは個人投資家にとっても個別株を長期保有する際に非常に参考になることではないでしょうか。短期的な利益を追求するだけではなく、応援という心持ちで投資をすれば業績が厳しい時代にも投資を続けることができます。時にその期間は後の成長の果実ともなりえます。

また、有名なアクティビストがその企業に投資をしたという報道がされると株価は動くためにその動向を把握しておく必要があります。

バリューアクト・キャピタルのパートナー、ロバート・ヘイル氏は日本は変革の余地が大きく、そして早いスピードで変革ができていると述べています。例えば、2014年に東証一部上場企業で社外取締役を保有していた企業はわずか6%程度だったのが、現在は72.8%となっています。

日本企業は欧米企業と比べるとPERやPBRが一般に低く、欧米より日本企業の方が価値が埋もれている企業が多いとも言われています。

日本企業の経営陣が気づいていない視点を欧米の、外からの視点からアプローチして変えていくことはこれから重要になってくるのではないでしょうか。このようなアクティビストが増え、聞く耳を持つ日本企業が増えていけば、日本の技術力がある企業はグローバル競争で勝ち残り続ける企業に展望していけるのではないでしょうか。また、日本株の株式市場の未来も明るく考えることもできるのかもしれません。


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