見出し画像

すごい!面白い!こういうマネジメントもある。

 アイリスオーヤマさんという会社が仙台にある。
この会社さんのすごさは色々なところで紹介されているのでそれをぜひ読んでほしい。僕が好きなJリーグ「ベガルタ仙台」のユニフォームスポンサーでもある。

 僕がこのアイリスオーヤマさんを知ったのは、以前、プラス株式会社にいて、流通事業を担当していた時のこと。商品企画とかマーケティングを行う際に、様々な会社を研究している時。

 「週イチ社長プレゼン会議」、、、まあこれはタイトルを見ればすぐわかるが、週1回、丸1日かけて、社員が商品企画をプレゼンし、社長はじめ幹部がジャッジしていくというもの。

 こういう形でやれば、スピーディに意思決定がされるし、意思決定プロセスが透明であるし、トップのメッセージが社内に浸透しやすいよな、と感激した記憶がある。ただ結局、プラスでそういう形で企画会議を行うことはなかったが、今でも、会議では「どんどん提案してもらい、ジャッジする」というスタイルでいるのは、この「週イチ社長プレゼン会議」の影響だ。

 そのアイリスオーヤマの社員との向き合い方、というかマネジメントの仕組みが紹介されていた(なおこの記事は連載なので、続きが楽しみだ!)。

むちゃくちゃ面白い。

大山会長は、

「業績や実績だけで社員を評価してはいけない。そこには幸運や不運の要素もあり、個人の力を正確に示すものではない」

と言う。これはその通りだと思う。なので多くの企業は「業績でないところ」を併せて評価に取り入れようとする。

 ひとつの基本形は、
 ・パフォーマンス評価(半期/年など)は、業績評価を中心に業務遂行プロセス
  も加味
 ・グレード評価は、コンピテンシー(※)評価を中心に、業績も加味
   ※)ある職務や役割において優秀な成果を発揮する行動特性
という感じだろうか。つまり、要素としては、①業績、②業務遂行プロセス、③コンピテンシー、の3要素。

 アイリスオーヤマさんも①〜③を勘案している。どのようにしているか、といえば、①業績に加え、②業務遂行プロセスは360度評価にて、そして面白いのが、③や想いの部分をプレゼンで評価する、ということだ。

 これを読んで、「プレゼンでその人の力がわかるのか」と思った人は多いのではないか。そう思う気持ちはわからんではない。

 僕の仮説として、そう思う人は、
・プレゼンで自身の主張や想いを語る経験があまりない
・他の人のプレゼンを聞いて心を動かされた経験があまりない
という中で、「プレゼンそのもので自身を評価されるなんておかしい」
という思考になるのではないか。

 確かにそうかもしれない。
 会社の企画でプレゼンをすることはあるだろうが、社員が一人ひとり、自分自身の主張や想いを語る経験は、「業務時間中」に行われることはあまりないかもしれない。業務で自分の意思を出すなんて、と思うかもしれない。

 でも、それでいいのだろうか。
仕事は、会社の言うことに盲従しながらやるものではない。大切なのは、いつも自分自身の想いである。Lead the Selfである。そういう主体的な意思を持つ社員が集まって、会社は生き物になる。

 加えて、「大事なのは言葉ではなく行動だ」と思うことはないだろうか。だとしたら、言葉で言う「プレゼン」がいかによくても、行動が伴わなくていいのだろうか、と考えるだろう。

 大切なのは行動だ。その通りだ。だが、行動するためには「どう行動するか」考えることが大切だ。そのためには情報を集め、自らの思考を整理し、構造化し、意思を固めることが大事だ。プレゼンをすることで、そのプロセスを実行することができる。

 だから、業績に加えてプレゼンで評価をするというのは、とてもいいと思った。

 そしてもう一点。
 下位10%にランク付けされた社員はイエローカードを出され、そこから脱出できるよう、指導が入る。にも関わらず2年連続でイエローカードとなると、降格になる、という仕掛け。

 厳しいようにも感じるが、1回で即降格、ではなくて、1対1の指導が入るということで、その指導により、必ず這い上がれる、という確信があるからこそ、こういう仕組みがあるのだと思う。

 スキルやマインドは人それぞれ。スキルの高い低い、はどうしてもあるし、意欲も高くない人もいる。スキルは、意欲があり、トレーニングすれば誰でも身につけることができるが、環境や仕事のフィット、プライベートの事情などで、どうしても乗り切れないことはある。それはそれで、生き様だ。

 だとしたら、マネジメントの職務にはつかないで、プレイヤーとして、自身の持ち場で活躍するのもありだ。降格は、不幸なことでも、ダメの烙印を押されたことでもない。その役割とはフィットしていない、ということだけだ。だからまた意欲が戻り、スキルを学び、その役割で仕事したい、と思うのは再挑戦すればいい。適材適所を考えると、この「2年連続イエローカードで降格」は、むしろ社員に親切な仕組みなのではないか、と思う。

 ちなみに、私が以前所属していた「ソフトバンクアカデミア」も非常に近い仕組みを導入している。評価はプレゼンがメイン。そして下位何割かは、自動的に退学となる(再挑戦がなく、より厳しいわけだが)。

 そんなわけで、アイリスオーヤマさんのマネジメントの仕組みは本当に勉強になった。勢いのある企業がやることには必ずA-ha!な学びがあるし、常識に囚われないでやることの大切さを知った。

 日頃の仕事の中で、常に「常識に囚われず」、より成果につながる仕掛け、仕組みをどんどん、考えていこう。私も頑張ろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?