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テクノロジーでシニアの働き方が変われば日本が変わる COMEMOイベント

働き方、を論じるときになにかと話題になるシニア世代。なおかつローテクを象徴する世代ともいえますが、このシニア世代に最新のテクノロジーを掛け合わせると、いったいどんな未来がみえてくるのか。COMEMOによる、こんなテーマのイベントが26日、東京・霞が関のSENQで開かれました。

この日の登壇者は石山アンジュさん(モデレーター兼務)
内閣官房シェアリングエコノミー伝道師/シェアリングエコノミー協会 渉外部長

一般社団法人シェアリングエコノミー協会渉外部長として、政府渉外を担当。「イノベーションの社会実装」をテーマに、ベンチャー企業と政府の官民パイプ役として規制緩和や政策推進などに従事。COMEMOキーオピニオンリーダーとしても活動。最近「シェアライフ」を出版されました。

続いて檜山敦さん (右)
東京大学 先端科学技術研究センター 講師 

東京大学IRT研究機構特任助教、同大学院情報理工学系研究科特任講師などを経て、現在、東京大学先端科学技術研究センター専任講師。2017年4月より理化学研究所革新知能統合研究センターチームリーダーを兼務。複合現実感、ヒューマンインターフェースを専門として、超高齢社会をICTで拡張するジェロンテクノロジーの研究に取り組まれています。

そして秋好陽介さん(左)
ランサーズ株式会社代表取締役社長CEO

ご自身がかつて仕事の受託者と発注者の両方の立場を経験したことから、頼したい企業と仕事を受けたい個人をオンライン上でマッチングするウェブサービスを思い立ち、2008年4月に株式会社リート(現・ランサーズ株式会社)を創業。同年12月、日本初のクラウドソーシングサービス「Lancers」の提供を開始しました。

シニアが働けないと何が問題なのか?

まずは問題提起から、なぜシニアが働けないと問題なのでしょうか。檜山さんが解説してくれました。

・働き手がどんどん減っており、2030年には若者世代による高齢者の支え合いは限界になってしまうこと。 

・「働けるうちはいつまでも」働きたい人が多いが、特にホワイトカラーの定年退職後の受け皿が少なく、3人に1人が未就労となっていること、などなど。

秋好さんは

・シニアにとって「会社という安全箱」がなくなることが課題であるといいます。ランサーズで活躍している方を紹介され、シニア世代を巻き込むにはテクノロジーと新スキルに対応していくこと必要だと指摘されました。

テクノロジーは働き方を変えるか?

さて、本題に入ります。テクノロジーは働き方を変えうるのか?

石山さんは、シェアリングエコノミーの可能性に注目します。シェアエコを活用することで、例えばスキルシェアなどの形で、個人がサービスの供給者になれる、個人が社会参加できるというわけです。これはシニア世代にもあてはまります。定年後に「包丁砥ぎ」の先生となったことで生きがいを見つけた方など、「自分が好きなことを通じて、誰かのためになっている」事例を紹介してもらいました。

檜山さんからは、ご自身のテクノロジーの取り組みとして「GBER」を紹介していただきました。GEBRはコニュニティーのメンバーと地域活動をマッチングさせるツールで、シニアの社会参加、就労の促進を目指しています。2016年から千葉県柏市で運用中で、4月からは熊本県でも運用開始するなど、他地域展開を進めています。こうしたテクノロジーを使った、高齢者が若者を支える新たな社会モデル構築を訴えます。

秋好さんは、フリーランスの方の仕事獲得経路をみると、オンライン経由が現在は12%にすぎないと指摘。今後、オンラインマッチングが普及することで、移動義務がない世界が実現するといいます。また、信頼が可視化されてゆくことで、年齢(=経験)がむしろ有利な時代になると予想します。さらに、シニアはオンラインで若者と共創していくと指摘しています。

登壇者の皆さんに将来ビジョンを示してもらいました

アンジュさん:「シェア」でコミュニティーの再生、生きがい・就業機会の創出といった課題を解決する。

檜山さん:誰もが不安なく生活を維持できる、全員参加・生涯参加の長寿社会を実現したい。

秋好さん:年齢関係なくフラットな社会。「自分らしさが社会とつながる瞬間」。未来も働く意味は変わらない。

では、あしたから何をすればいいか?

檜山さん:新しいものに興味を持つ、世代を超えた仲間を持つ。

秋好さん:相手が80歳以上だからといって年齢だけみて発注をとめないでほしい。

アンジュさん:世代の壁は私たちが勝手につくっている。シニアとどれだけ接点を持つかが重要。

質問タイムです。会場のみなさんからたくさんの質問をいただきましたので、いくつかご紹介します。

Q:テクノロジーを使えば、顧客が納得できる仕組みがつくれる?

A:例えば85歳の警備員の能力を、テクノロジーを使って見える化すればよい(秋好さん)。

Q:いまシニアの人とうまく働くコツは?年功序列で育ったシニア世代の価値観とやっていけるか心配

A:依頼したい仕事を細かく分解して明確に伝える。余計なことは依頼しない。シニア向けの講習会なども必要では(檜山さん)

A:価値観を翻訳できるチームリーダーを立てて、チームにしてしまうのも手ではないか(秋好さん)

A:高齢者はよく「いまの若者は」というが、明治維新のころの若者と比較していたりする。シニアの価値観を変えていくことも必要(アンジュさん)

COMEMOイベントの恒例、グラレコは今回は佐久間さんにご担当いただきました。最後にきょうの流れを振り返ってもらいました。

今回、イベント開催に先立って、石山アンジュさんから、COMEMOでみなさんからのご意見を募集いただいてます。

ご意見募集はまだ継続中です。イベントに参加されなかった方も、ぜひご意見をコメントしてください。いただいたご意見の一部は4月、日経新聞に「COMEMOの論点」として掲載する予定です。








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山田豊(COMEMOスタッフ)

日本経済新聞社のCOMEMO担当。日経記者、デスクをへて2017年10月からCOMEMOスタッフ。※投稿する内容は個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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