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アマゾンは顧客志向を捨てるのか?

アマゾンは世界で最も顧客志向の企業となることを標榜してきました。実際、既存企業を圧倒する顧客価値を提供し、猛烈な勢いで事業を成長させてきました。

そんな中、これまで培ってきた顧客本位の企業ブランドを傷つけるような報道がありました。

顧客を自社利益へ誘導

アマゾン株下落-検索結果表示で自社収益性を優先との報道

ウォルストリートジャーナルは、アマゾンが他社商品よりも利益率の高い、アマゾンのプライベートブランド商品に顧客を誘導するよう、検索アルゴリズムを変更したと報道しました。

アマゾンの広報はそのような変更は加えていないと反論をしていますが、一方で、自社の長期的な利益を考慮した検索アルゴリズムであることは認めています。

傲慢さが生み出す綻び

アマゾンが、徹底した顧客志向の企業理念を転換したとは思えません。

しかし、創業から20年で世界時価総額ランキングトップ企業の座を獲得したアマゾンに、驕った感覚が芽生えているリスクはあります。

完全な邪推ですが、

「自社のプライベートブランド商品は、顧客にとって最高のプロダクトだと自負している。だから、自社商品へとユーザを誘導することは顧客にとっても良いことである。」

といった論理が、社内で繰り広げられている可能性もあり得ます。

この論理が真であるケースもあれば、そうでないケースもあるはずですので、短期的には一概に悪い考え方だとは言えませんが、長期的にみると、自浄作用がなくなり、お客さまにとって不利益のある決定になります。

この推論が間違っていることを祈りますが、京セラ創業者の稲森和夫さんがどんなに成功されても、「動機善なりや、私心なかりしか」と自問し続けられたように、あらゆる意思決定が本当に企業理念に基づいて行われているのかを謙虚に問い直し続けるべきだと考えます。

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