日本に広がる大課長問題を克服して、成果の上がる組織を再設計しよう。
こんにちは。
リデザインワークの林です。
多くの会社で、"大課長問題"が発生しています。
部長や事業部長が、課長と同じような仕事をしていることを大課長問題と呼んでいます。
皆さんの会社では大課長問題が起こっていないですか?
大課長問題が発生しているかどうかを確認する5つの質問を用意しました。
部長や事業部長が、今月の数字や成果のことばかりを気にしている
部長や事業部長が、現場がすべき実務を抱え、各論に口を出している
部長や事業部長が、日々の仕事を回すことが中心で、人材育成に手がまわっていない
部長や事業部長が、現在の延長戦上で未来を語っている
部長や事業部長が、今いる人たちだけで業務を何とかしようとしている
どうでしょうか?1つも当てはまらないのが理想ですが、3つも当てはまっているとすると、それはばっちり大課長問題を抱えています。
大課長問題によって引き起こされる問題
いくつもありますが、影響の大きいものは以下の3つかなと思います。
・多重管理になり、報告業務が増え、社内作業が増え、生産性が下がる
例えば、今月の数字や成果などの責任は課長が担い、部長や事業部長は年間計画や更に長期への責任を担ってもらうのですが、
各レイヤーが同じ短期成果(月間や四半期単位)に目線が寄っていると、課長が部長に短期成果についてのレポートを行い、部長が事業部長に同様のレポートを行い、
その都度、今月は達成できるのか?あのクライアントさんはもう少し踏み込んで提案したらよいのでは?とか、もう少し進捗スピードを上げてほしいなど課長がやる短期成果マネジメントをみんなでやってしまっています。
これによって現場も、課長も大課長に向けた報告業務が増えますし、結局課長も短期業績の責任を担いきらないので、ただの大課長の調整役になってしまいます。
・事業の未来に向けた重要な議論が抜け落ちる
部長や事業部長が大課長になっている場合、現場の各論に強く、短期成果に業務シェアが大きく取られているので、中期の戦略を描いたり、業務を大幅に見直して生産性を上げる業務改革やDXの検討・推進が進みません。
よって、次の挑戦テーマや業務改革が無く、いつまでたっても現場は忙しく、それでいて、未来が見えないので、事業や組織がどこに向かっているのかがよくわからない不安を抱える状態になってしまいます。
・組織の未来に向けた重要な議論が抜け落ちる
将来について考える時間が不足しているので、1年後、3年後どんな組織を作っていきたいのか?そこに向けて不足する人材やポストはどこなのか?
それを踏まえた、内部の育成・抜擢の計画と、外部採用の計画を立て、必要な人材の確保に努めないといけないのですが、その議論や整理が出来ていない。
結果として、蓋を開けてみると人が足りない、人が育っていないという状況が大課長問題の組織では頻発します。
大課長問題に対する対応策
対応策は大きく二つあります。
一つは、そもそも、課長・部長・事業部長の役割はどう違うのかをはっきりさせることです。
多くの企業では、この役割が不明確なまま業務が進んでおり、役職=肩書みたいになっていますが、本来役割が違うのです。そこが整理されていない、教えられていないので、大課長が自然発生するのはアタリマエです。
マネジメントの4つの役割は、以前noteにも書きました。
課長から事業部長にかけて、短期側ではなく、長期側の役割が重要になっていきますので、各社の中でこの整理をしっかりすることが大切です。
二つ目は、アップスキル・リスキルです。
役割がわかったとしても実際にはスキルが不足してその役割が担えません。戦略の描き方がわからない、未来組織の描き方がわからない、どのように育成計画を立てればよいかわからないなど。
この辺りの研修は外部で良いものがたくさんありますし、社内外で出来る人をメンターやコーチについてもらって育成をフォローしていく方法もあります。
最新の研究では、一部部長と課長の役割を入れ替えることを戦略的にやることもあるとの見方も出てきています。
いづれにしても、役割を明確化し、曖昧な役割のままにするのは問題ですね。
まずは、大課長問題が問題であることを認識し、対策をたて、無駄な報告を減らし、未来議論が拡張する組織設計に向かっていきましょう!
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