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海外で右肩上がりのニュース・ポッドキャスト〜来年からはピューリッツアー賞のカテゴリーにも

ポッドキャストについて興味を持って聴いたり調べている中で気になったトピックが2つあったので取り上げてみたいと思います。

①ピューリッツァー賞のカテゴリーとして「オーディオ・レポーティング」が新設

ピューリッツァー賞はアメリカにおける新聞、雑誌、オンライン上の報道、文学、作曲の功績に対し、卓越したジャーナリズムを称える賞として広く知られています。ジャーナリズム部門では今まで14部門あったカテゴリーの中に、新しく「オーディオレポートティング」のカテゴリーが追加されたとのことです。来年の4月にはこの分野での初めての受賞が発表されることになります。

ピュリッツァー賞の管理者(administrator)であるDana Canedy氏は「近年のオーディオ・ジャーナリズムの復興により、ノンフィクションのストーリーテリングが驚くほど増えた。ピュリッツァーの理事会は、これらの実績を踏まえ、実験的なカテゴリーを立ち上げました」と語ってます。

2012年、ブログ、インターネットニュースメディアが成熟しつつあった時期に、ブログサイトとして出発したハフィントン・ポストが受賞し、大きな話題になっていたことを思い出します。今後ジャーナリズム分野でもポッドキャストの存在感、役割が増えていくことを感じさせます。

②右肩上がりで増え続けるニュース・ポッドキャスト

英オックスフォード大学ロイター・ジャーナリズム研究所がまとめた調査、「News Podcasts and the Opportunities for Publishers」によると、2017年1月に誕生したニューヨーク・タイムズの人気ポッドキャスト「The Daily(ザ・デイリー)を筆頭に、毎日のニュースを音声で届けるポッドキャストが急成長していることが示されています。
今回の調査対象はアメリカ、イギリス、オーストラリア、フランス、スウェーデンということで国内は含まれてないものの、英語圏を中心にどのようなフォーマットのポッドキャストが受け入れられているか、ビジネスとして成り立つか、などのテーマについて詳細に分析されています。

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今回の調査対象国の中では既に5万近いポッドキャストが「ニュース」のカテゴリとして登録され、フランスでは全カテゴリの中で34%、アメリカでも21%と大きな割合を締めていることが分かります。また、2割強が2019年中に作成され、黎明期であることも窺わせます。

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各国の人気ポッドキャスト番組なども紹介されています。

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こうして盛り上がる「ポッドキャストブーム」ですが、1人の視聴者として感じるのは量も種類も増えすぎて飽和気味、情報過多になっていることも否めません。今後は国内でのポッドキャストも増加していくことと思いますが、どのようなフォーマットの番組が登場してくることになるのか、楽しみです。

*今回の調査を行った著者によるウェビナー動画

Photo by Jonathan Velasquez on Unsplash



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市川裕康 (メディアコンサルタント)
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