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ビジネスマンが筋トレにはまる理由

「筋力トレーニング(筋トレ)ブーム」が続いています。働き方改革に加えて新型コロナウィルスの感染拡大に伴うテレワークの推進などにより、仕事以外に使える時間が増えていることに加え、パーソナルや24時間営業のフィットネスジムが増えたこと等により、会社員が利用しやすくなっていることがあります。

近年の傾向では、40-50代の会社員の間で筋トレが人気を集めています。人生100年時代の高齢化社会を生き抜く中で、できるだけ長く仕事ができるように、自らの健康管理の重要性が高まっていることがあることが推察されます。

ただし、健康管理という意味では、ランニングなど他のトレーニングも考えられます。それなのに、なぜ筋トレがブームとなっているのでしょうか。
その理由の一つとしては、成果が目に見えやすいということがあるでしょう。というのも、ランニング等では、ある程度の期間継続しないとなかなか体型的な変化は表れにくいものです。これに対して筋トレは、トレーニング直後でも筋肉が膨張することから成果が見えやすいということがあるでしょう。更に、ランニング等は頻繁に実施しないと成果が表れにくいのに対して、筋トレは壊れた筋肉の修復に時間を要すること等から、週に1~2回程度でも適度な食事制限をすると成果が表れやすいということもあるでしょう。こうした点が、日々忙しい会社員が取り組みやすい理由と考えられます。

特に40-50代の会社員というと、ある程度会社内での昇進等のポジションも見え始め、プライベートの生活も含めてどんなに努力しても思い通りにいかないことも増えてくるものです。こうした中で、筋トレは正しいやり方をすれば必ず目に見える成果がありますから、自己達成感にもつながりやすいのでしょう。

また、適度な糖質制限は肥満や動脈硬化等の生活習慣病予防にも効果があります。加えて、ダイエットでカギを握るのが筋肉量を増やして基礎代謝を上げることという認識が高まっていますので、筋トレとともに低糖質・高たんぱく食品ブームも訪れています。特に、糖質制限ブームで蒸留酒の糖質が低いことが認識されて以降、酒類全体の課税数量が縮小傾向にある中でも蒸留酒の市場は拡大を続けてきました。

このように、今後も筋トレにはまる中年ビジネスマンが増加し、団塊ジュニアも含めて健康な中高年が増えれば、医療費や社会保障費の抑制にもつながる可能性があるでしょう。筋トレ自体が認知症の予防につながるという研究報告などもあるようですから、こうした側面も踏まえれば、筋トレブームは日本の経済や社会保障財政にもプラスの効果をもたらす可能性があるともいえるでしょう。

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第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。あしぎん総合研究所客員研究員、跡見学園女子大学マネジメント学部非常勤講師を兼務。内閣府コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会委員、総務省消費統計研究会委員、景気循環学会理事。専門は経済統計、マクロ経済分析。