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社会人大学院の意外な効用~私が論文指導がある学校を薦める理由~

 週休3日の議論がでるなど、働く環境が劇的に変化しようとしています。政府が週休3日の議論をしているのは、働き方の多様性を増やしたいだけでなく、各個人、各企業の生産性UP(もちろん生産だけがすべてではない)のために、働く人たちのリカレント教育を加速する狙いがあります。10年以上前に大学や専門学校で学んだことも、時代とともに陳腐化します。だからこそ、人生100年以上を生き抜くには、社会人の学び直し=リカレント教育が必要なのです。先進国では当然になりつつあるリカレント教育ですが、記事にもある通り、日本では各種法整備の影響もあり、遅れています。

 しかし、ポストコロナに社会が抜本的に変化する可能性があるだけに、学び直しに取り組もうと考えるビジネスパーソンも少なくないはず。今回は、私のリカレント教育経験談から、汎用性があるだろう学びを記載していきます。


社会人の学び直しというけれど

 いま、私は大学院の博士後期課程に在籍しています。修士課程も、社会人になってから修了し、そして今に至ります。まさに、ずっとリカレント教育を受けているような立場です。その経験もあり、様々な方々から社会人大学院を選ぶ際のポイントや注意点について相談を受けます。私が最も注目しているポイントは、

「論文指導がある社会人大学院かどうか」

です。これを推す理由は、論文指導のある大学院で学んで、あまりに良いことが多すぎたからです。

 社会人大学院生として修士課程に入学すると、結構な授業数を受講する必要があります。修士1年生の頃は、毎日勉強漬けなんて日々もあります。そこで学んだ知識は、レポートやテストで評価されて、合格すれば単位はもらえます。でも、すごい勢いで忘れていきます。授業で聞いてテストだけクリアしても、本当にすごい勢いで忘れます。更には、統計・ファイナンス・コーポレートファイナンス・コンピューテショナルファイナンス…etc、いろいろ学んでも、それぞれの分野で得た知識同士が、どんな風に繋がっているか理解できず終わることがあります。そんなときに、「論文を書く」という作業があると、それまで学んできた知識同士が、どのように繋がり合って、どんなケースだと理論で説明しやすくて、どんなケースだと学んできた理論と相性が悪いのか、頭の中に知識同士の地図がぼんやりでも、出来上がる感触がつかめるように感じます。そして、脳への知識定着率もUPしているように感じます。だからこそ、進学の際には論文指導のある学校をお勧めしています。

社会人大学院の意外な効用

 こうした論文指導があると、ビジネスパーソンとして知識習得が増すだけでなく、「書く力」や「プレゼン能力」の改善にも繋がると感じています。「書く力」や「プレゼン」について、先生によっては確り指導してくださるケースもありますし、効用は大きいです。

 更には、社会人大学院に入学すると、他学部の授業も受講できるチャンスが増える場合があります。多くの大学では、アカデミック用ではありますが「English Presentation method」や「English Presentation writing」の授業を備えている場合があります。英語での「書く力」や「プレゼン能力」を改善するチャンスにも巡り合えるかもしれません。私も受講し、沢山の恥をかいてます(汗)今週も、その準備で大変でした…。

 ちなみに、海外の大学では、英語ネイティブが、「English Presentation method」や「English Presentation writing」の授業を受けて、「書く力」や「プレゼン能力」をブラッシュアップするのが普通のようです。「書く力」や「プレゼン能力」が全然無いと嘆くよりも、日本では単に学ぶ機会が少ないだけと割り切って学び直しの機会を得に行く方がよいかもしれません。


学費について

 肝心の学費ですが、欧米の大学院に比べると、平均的にはかなり安いと思います。欧米の大学院に行かないと意味がないと思う人もいるかもしれませんが、国内大学でも海外ジャーナルにアクセスしたり、場合によっては海外研究者と交流する機会も得られるので、肩書きでなく、中身を充実させたい人には、結構な学びインフラが整備されていると思います。


もちろん家族の理解も必須だとは思います。人生100年時代の今、数十年前の知識だけで闘えるのかを、何度も話あうのもありかもしれません。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

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崔 真淑(さいますみ)



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