数学は、学問でもあり、科学の共通言語でもある。
まずは、「数理資本主義の時代」を読もう。
AIいや、高度なコンピューティングの時代になり、ますます論理性というのが、求められています。この記事にあるように、その中で、数理人材のニーズは、ますます高まっているのでしょう。
私も、数学者であり、数学教育に関わっており、このニーズの理解はしており、自分の課題と捉えている。しかし、多くの人が、数理人材が必要など感じていても、大胆な解決が行われていないのはなぜだろうか。少し、その点について考えてみたい。
まず、この記事にも引用されている、「数理資本主義の時代~数学パワーが世界を変える」という文章を読もう。これは、「理数系人材の産業界での活躍に向けた意見交換会」という会がまとめた報告書である。この文章のユニークなところは、数学の産業界での活用について、産業界とアカデミアの両方からのメンバーによってまとめられた文章である。
実は、数学の産学連携については、ここ数年、大学側では議論され、そして取り組みも行われている。しかし、残念なことに私たちの広報活動も不十分なこともあるが、産業界の方にはあまり知られていない。
まず、この「数理資本主義の時代~数学パワーが世界を変える」を多くの産業界の経営者の方に読んで頂きたい。おそらく、デジタルトランスフォーメーション(DX)のためには、数理人材が必要で、この報告書の中で紹介されている、産学連携の取り組みについて、行いたいと思うはずである。
数学は、言語である
数学というと、多くの方は計算というイメージがあるかもしれない。もちろん、計算もあるが、それ以上に数学は、言語であると私は考えている。数がは、「Queen of the Sciences」と呼ばれている。これは、数学は、諸科学の言語であることが大きな理由だ。
自然科学では、多くの場合、数式が登場し、その数式を解くことで、自然現象を理解する。つまり、自然現象を数学という言語で表現することで、多くの問題へのアプローチが容易になっているのである。
おそらく、企業で取り組みデジタルトランスフォーメーションには、新しい考えを言語化し、そして論理的に考える必要ある。特に、今話題のAIは、数学の塊であるといっても過言ではない。今、数理人材が求められている理由は、このように数学が、読み書きできる人が不足しており、その人材が求められているからである。
そして、数学者への誤解もあるだろう。私も数学者であるが、数式を使わななくても、このように議論に参加できる。ただ、数学で学んだ、論理性については、フル活用して議論ができる。つまり、数学者は数学という言語も使えるし、普通には日本語のような言語も、もちろん使えるのである。これからの、デジタルトランスフォーメーションに必要なのは、ビジネスの思考と、科学の思考の両方である。一般には、言語では、「日本語」と「数学」ということになるのだろう。
産業界のニーズを明示化して、予算化することが大切
さて、ここまでお読みの方は、解決方法を知りたくなるだろう。人材の問題、答えは明確である。教育である。しかsも、数学である。大きな実験設備など不要である、優秀な人材に、数学を研究させる時間、特にこれからは産業界と一緒に研究する時間を供給すれば良いのである。
もっとわかりやすく言えば、その時間に相当する、研究活動予算があれば良いのである。数理人材を養成する活動予算。これがあれば、数理人材は増える。実際に、「数理資本主義の時代~数学パワーが世界を変える」の中では、産学連携の活動例がいくつか紹介されている。このような活動が増えれば良いのである。
ぜひ、産業界の方が、「数理資本主義の時代~数学パワーが世界を変える」の報告書を読み、数理人材のニーズについて、もっと議論していただくことを、切に望むのである。