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今さらですが。PRとプロモーションの話。

「PRの相談をしたい」
「プロモーションの相談をしたい」

一般的にはほぼ同じ意味に聞こえるが、広告を生業にしている私のような人間にとって、この2つはだいぶ異なる意味に聞こえる。

PRと広告とプロモーション。

今さらだけど、言葉の整理をしてみた。

今日はそんな話。

■広告枠を買って、広告を載せるのが「広告」

PRとプロモーションの話をする前に、まずはその中心となる広告から。

テレビ広告(CM)からデジタル広告まで、その種類は多岐に渡るが、

お金を払って
どこかの広告枠を買って
そこに制作物を載せる

私は起点として、この行為を「広告」と捉えている。

逆に言えば「広告の相談をしたい」と言われて出向いたが、「お金を払うイメージはなかった」とか「広告枠を買うってことじゃないんだよね」と言われたら、それはPRかプロモーションのことを「広告」と表現していた可能性がある。

広告の基本は、接触人数と反応率だ。

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デジタル広告ならimp(インプレッション=広告が表示された回数)、テレビ広告ならGRP(グロスレーティングポイント=視聴率の合計)といった単位がある。

これに対して「どのくらい広告に反応したか?」という反応率を掛け算したのが最終的な成果だ。

「反応した」の定義は、その都度決める。

・クリックした
・いいねした
・気持ちが変わった
・ツイートした

など、成果の手前にある指標を設定しておくのがいいだろう。

またA/Bテストと言って、どんな広告が反応されるのかをテストする視点も重要だ。

例えば、日経新聞の広告をする場合に

A:日経を読んでいる人の年収は高い
B:経済を知ると人生が豊かになる

など、全く違うメッセージを広告にして反応を確かめる、といったようなことだ。

ここまでが広告の基本。

■広告+αがプロモーション

話は本題のPRとプロモーションへ。

先ほどのような「広告」を後押しするのが「プロモーション」

計算式に足すとこうなる。

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先ほどの例に加えると

【広告】日経を読んでいる人の年収は高い
【プロモーション】今なら1カ月分無料キャンペーン

という関係性になる。

テレビCMのラスト1秒で「キャンペーン中!」という後押しを見たことがないだろうか。あれが典型的な「プロモーション」だ。

つまり「広告+α」の+αの部分がプロモーションで

「プロモーションの相談をしたい」

と言われたら「日々の広告活動の後押しになる施策をやりたいのかな?」と受け取る。

■広告の反応を良くするのがPR

広告に加える「最後の一押し」。成果の手前で機能するのがプロモーションだとしたら、PRはその真逆の位置に存在する。

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日経新聞の例で言えば、

【PR】今、新聞への関心が(逆に)高まっている
【広告】日経を読んでいる人の年収は高い
【プロモーション】今なら1カ月分無料キャンペーン

のようなことだ。

日経新聞だけを推すのではなく「新聞への関心が高まっている」「経済への関心が高まっている」など、結果的に自社にも注目が集まる現象を自然につくりだすのがPRだ。

世の中が新聞や経済に注目するため、結果的に広告の反応率が高まると言った効果がある。注意したいのは、ライバルの支援にもなる点や、不自然に作り出そうとすると、ステマや自作自演と取られる危険性がある点だ。

最近で言えば「うがい薬」に対する注目が高まり、各社の商品が飛ぶように売れたという現象が挙げられる(これはどこか1社が仕掛けたものではないが)。

■クライアントが求めているのは何?

「広告をやりたい」
「プロモーションをやりたい」
「PRをやりたい」

を、先ほどのような意味で使い分けている人はあまりいないし、使い分ける必要もない。

その真意を丁寧に紐解いて、全体戦略をつくるのが私の仕事だ。

こういった声をもらう時、要するにクライアントは「何かをやりたい!」と思っている。もしくは「何かをやらなきゃ!」と焦っている。

そんな時に相談してもらえる存在であることが、何よりも大切だったりする。

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これもまた、今更ですが。

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小島 雄一郎
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