FOMC議事要旨のポイント整理
今回のFOMC議事要旨のポイントは①バランスシート(B/S)縮小の開始時期、②完全雇用という現状への評価、③物価の弱含みが一時的か否かという3点に関し、FOMCが見解の一致を見ていないことが窺えたことでしょう。今回ヘッドラインとして注目されているのは①ですが、本質的には②や③の関係(端的にはフィリップス曲線)が不安定化しているという事実の方が政策運営上、由々しき問題です。また、これらに加えて4点目の注目点として④資産バブルへの懸念が強まっていることもはっきりと窺えました。むしろ、④が正常化のドライバーとなっている印象すらあります。
永濱さん仰っているように、「まだ完全雇用ではないのでこれから物価が上がってくる」というのが現状のFOMCにおける拠り所と思われます。一方で、「完全雇用になっても賃金が昔ほど上がらない時代になった」との懸念もあるのだとしたら怖いことです。一部メンバーから「長期的な物価目標である+2%への進展は減速したのかもしれないし、最近の軟化は続くかもしれない」といった弱気なコメントが見られているのも気がかりです。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN05H0D_V00C17A7000000/?dg=1
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