中国のオンライン裁判所について。これでSNSでの不幸も減らせる可能性
もしもネットで詐欺にあったり、いじめられたりしたら日本のみなさんはどうしますか?
最近中国では新たなシステムが生まれました。
ネットでトラブルに遭遇したり、人格への侮辱や書き込みによるプライバシーの侵害などが発生する場合、直接ネットで訴えることができる環境が整えられたのです。
公開資料によりますと、現在中国には北京、杭州、広州の3つのオンライン裁判所があり、以下の案件を処理することが可能です。
・電子商取引プラットフォームによるオンラインショッピングによる紛争
・契約、履行行為(いずれもインターネット上で完成したネットサービス契約)の紛争
・契約、履行行為(いずれもインターネット上で完成した金融借入契約などについて)の紛争
・ネットで発表された作品の著作権又は隣接権に関する紛争
・インターネット上でオンライン発表、作品の著作権、隣接権を侵害して発生する紛争
・ドメインに関する権属、権利侵害及び契約紛争
・インターネット上で他人の人身権、財産権などの民事権益を侵害して発生した紛争
・電子商取引プラットフォームを通じて購入した製品の欠陥による人身、財産への侵害の責任判定紛争
・検察が提起したインターネット公益訴訟事件
・行政機関がインターネット情報サービス管理、インターネット商品取引及び関連サービス管理等の行政行為を行ったことによる行政紛争
・そのほか、上級人民法院が指定したインターネット民事、行政事件
これらの内容の充実ぶりにはWeiboのCEOからもコメントがありました
↑「今後はプラットフォーム名と相手のIDがあれば、裁判所がプラットフォーム側方から実名登録された携帯で訴訟の連絡と確認ができる時代に!!」とコメント。
さらに、証拠として提示でき、認められる電子データの幅の広さに驚きました。
メールやチャット履歴などはもちろん、ほかにも電子署名、信頼できるタイムスタンプ、ハッシュ値検証、ブロックチェーンを使用しての証拠収集、固定及び改竄防止の技術手段または電子証拠によってプラットフォーム認証し、その真実性を証明することができる場合、インターネット裁判所は証拠として認めるとのこと。
こういった新しい技術での証拠の提出を行うことや、それを扱う裁判所。IT先進国と感じますね。
そしてこの申請もかなり簡単にできる。具体的な手順を実際に起きた例で紹介しましょう。
タオバオの店舗とトラブルが起き、杭州のオンライン裁判所を利用して訴訟した人がどうやって訴訟したかの経験を共有していました。
まず買い物の実名と同一人物の確認が必要なため、アリペイによる実名登録が薦められます。
↑次に何に関するトラブルについてかを選びます。
↑買い物を選べば、自動的に対応可能なプラットフォームが提示されます。
そして、トラブル内容を選択。トラブルの内容によって適用できる法律項目が自動的に表示されます。
↑証拠や訴求などに提示通り入力すれば自動的に訴状が作られます。提訴ができたらSMSで知らせるだけでOK。
タオバオは杭州にある会社ですが、このシステムの利用はもちろん中国国内のどこでも大丈夫。現在のタオバオの対策と消費者権利保障機構のどちらでも、返金はできますが、強制賠償ができない(そういう権力機関ではないからね)。
よって、悪質で絶対に賠償金を要求したい場合はオンライン裁判所が最も執行力があるそうです。
そして、非が相手にあり、利用賠償金額が常識的な範囲であれば、だいたい和解で解決できるそうです。
先日日本でもSNSでの不幸があったようですね。
中国でもSNSでのいじめは度々問題になっていて、そのたびにWeiboなどでは機能を充実させ対応してきました。オンライン裁判所もSNSでの誹謗中傷の防止に幅広く活かされるのではないかと期待されます。
(参考資料)
https://baike.baidu.com/item/%E4%BA%92%E8%81%94%E7%BD%91%E6%B3%95%E9%99%A2
http://www.whhsfy.hbfy.gov.cn/DocManage/ViewDoc?docid=b39bdfbe-c6bc-498e-9acb-6d871d54abb9
https://www.douban.com/group/topic/126517113/