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日本のインフラが詰んじゃう前に。

皆さま、あけましておめでとうございます。新年早々、不景気なタイトルの投稿で申し訳ありません。でも、年が改まる、元号が変わるといったタイミングは、こういうことを皆さんと共有するのによいきっかけかなと思うので、今年最初の投稿は、このままでは「日本のインフラが詰んじゃう」という危機感を共有したいと思います。

私の専門は、エネルギー・特に電力ですので、まず電力インフラの将来を考えてみます。これから特に地方では人口減少・過疎化による需要減が進むでしょう。全体としては電化・電脳化が進んで電力需要は増えるかもしれませんが(増える可能性が高いと私は思っていますが不確実です)、地方によっては相当減少が進むことは間違いありません。こうなると厳しくなるのが、送配電事業でして、苦労して送配電線のメンテナンスしても、その先で売れる電気はどんどん少なくなります。メンテナンスの効率化を進めることは当然ですが、需要がゼロになる訳ではない限り、いつまでもある程度コストをかけざるを得ないということになります。加えて人口減少が進む地域は、土地の値段が安くなりますので、再生可能エネルギーが大量に導入され、送配電線を使って売る電気の量は加速度的に減るということになります。送配電網の今後については、経済産業省も課題意識を持っておられまして、研究会立ち上げたりしてます。

ただ、こういう議論に参加していて思うのは、電力事業は担い手の規模も大きいですし、いろんな技術やサービスの検討も始まっていますので、手を打つ時間はまだ残されているということ。むしろそれ以外の様々な社会インフラをどう維持するかということが気になっています。高度経済成長期に集中的に投資され、そろそろ更新時期を迎えているというのは送配電線も、高速道路も水道管も同じでしょう。

地方の基礎自治体の多くは、既存のインフラを維持するために自主財源の何倍もの予算を計上するという状況に陥っていて、これはどう考えても持続可能ではないでしょう。世代間・地域間の不公平性に目をつぶって、なんとかやり過ごしてきましたが、本格的に改めないといけない時期が来ていると思っています。

道路、交通、水道、エネルギー、医療等いろいろな社会インフラを効率よく運用していくことが必要で、そのためにはデータ活用と新技術の導入により効率性を上げていくこと。Society5.0はこれを目指したものだと理解しています。エネルギーの分野でも効率化のためにやらなければならないことはたくさんあり、詳しく書いた原稿が別途掲載予定ですので、掲載になりましたらまたご紹介させていただきますが、それぞれの事業分野で効率化を進めること、加えて、多様な事業分野の連携を進めるのがカギかなと思っています。

変革の中で痛みが生じないわけではないでしょうが、右肩上がりの時にはできたことは、もうできないというのは国民の多くは認識できていると思います。むしろ、こういう「嫌な事」を国民に伝えることを怖がらず、その中でできる最善の策を提案するという政治の議論が必要ですね。

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温暖化・エネルギー政策の研究をしています。現実的な移行とサステナブルな未来を考えています。 国際環境経済研究所理事・主席研究員/筑波大学・関西大学客員教授/U3InnovationsLLC共同創業者・代表取締役。

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