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経済的にも盛り上がるラグビーW杯

開催前は赤字が懸念されていたラグビーワールドカップでしたが、テレビドラマによるラグビーの認知度向上や日本代表の活躍等もあり、予想を覆してチケットの売れ行きは好調のようです。

ラグビー発祥国であるイギリスの文化的な背景から、会場でのビール消費も好調となる等、かなりの経済効果が出現している可能性のあるラグビーワールドカップ特需。インバウンド需要も相まって、大会収支の黒字決算も見込まれるでしょう。

ラグビーワールドカップは最大規模の世界的スポーツイベントの一つであることから、様々な経済効果が出現しており、今回も例外ではないでしょう。

その経済効果は、組織委員会の試算によると4,300億円を超える規模となっています。しかし、その直接効果の内訳は「スタジアム等インフラ整備費用」「大会運営費用」「国内客による消費」「訪日外国人による消費」であり、開催に向けて行われた道路や鉄道などのインフラ整備は含まれていません。このため、組織委員会が試算した4,372億円にプラスアルファの経済効果が上乗せされる可能性があるでしょう。

中でも「訪日外国人客による消費」は大きな経済効果がありそうです。大会を目的とした訪日外国人客によるスタジアムやファンゾーン、ホスピタリティプログラムをはじめ、市街地や観光地での消費による経済効果として1,057億円、国内客による消費の経済波及効果も160億円が見込まれていましたが、スタジアム等インフラ整備費用の経済波及効果も400億円が見込まれています。

更に民間では、ホテルや商業施設の建設や改修、さらにラグビーワールドカップ終了後の再開発にも設備投資が行われる可能性があるでしょう。

また、2020年東京五輪では開催期間は17日間にとどまるのに対して、ラグビーワールドカップの開催期間は44日間で東京五輪の倍以上となり、試合が行われない日も18日もあることから、飲食やレジャーなどの消費が増えている可能性が高いでしょう。

また、ラグビーワールドカップ2019は、北海道から九州までの全国12都市12会場で開催され、見込まれている訪日客は50万人でした。こうしたことから、経済効果の影響が広く共有されていることが予想されます。

なお、大会では1000人規模のボランティアスタッフがスタジアムでの試合運営補助役や市街地でのサポーターガイド役を務めており、こうしたスタジアム等の会場運営、大会出場チーム、大会ゲスト、メディアなどに提供するサービスに伴う支出などによる経済波及効果も300億円が見込まれています。

実際に新聞報道では、神戸市内のあるホテルでは、開幕直前から外国人客が増加し、特に欧州からの宿泊客の予約は、神戸での試合開催直前となる24日から神戸での最終戦となる10月8日までで前年同期比2.6倍と急増したようです。

また、開催期間が長く、試合会場が点在していたこともあり、地方発の日帰りツアーやキャンピングカーのレンタルも増え、W杯特需が各地で高まったことも報告されています。

おそらくこうした効果は、これから公表される9月の経済指標にも表れる可能性があるでしょう。

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