企業での数学研究者とAIなどの研究方法

 私自身も数学の研究者であり、教育者でもあることから、この取り組みにはとても興味があります。ぜひ、この取り組みが成功を続け、日本の科学技術の進化が続けば期待しております。そこで、このような取り組みについて、少し企業側が考えないといけないことについて、整理したいと思います。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34179470V10C18A8EE8000/

この記事にもあるように、産業界では、Big Dataの分析の業務の拡大や、AIへの積極的な取り組みのために、その領域に明るい人材を求めていらっしゃると思います。その時に、長期に人材が必要なのか、ある問題を解決するためという有期で人材が必要なのかは整理さえれているでしょうか。

長期に人材が必要というのは、あるプロジェクトが終わっても、数学などの専門家の仕事が恒久的にある、または数学を武器としたチームを企業に置く必要があるということが理由でしょう。この場合には、実は人の雇用と、組織作りは一緒に行うことになります。リーダー格の研究者と、担当者層の研究者からなるチームが構成されます。

しかし、よく誤解があるのは、数学の専門家が不足しているので、その担当研究員を単独で雇用される企業がいらっしゃいます。そして、他の領域の研究者と一緒のチームにして、研究などを進められます。このようなチームの場合、共通言語、共通語彙の問題にぶつかることが多く、なかなかスムーズに研究が進まないケースがあります。本当に、数学、特にその企業に、専門家がいない領域の専門家を雇用するのであれば、その領域のチーム作りを考えるほうが、良いと私は思います。

一方、短期なのに、人材を雇用することも、問題になります。行いたい問題が明確にあるのであれば、実は九州大学においても共同研究の取り組みプラットフォームを持っています。

http://www.imi.kyushu-u.ac.jp/

多くの企業には、数学の専門家は少ないでしょうから、ぜひこのようなことも念頭に置きながら、ぜひ産学連携の成功例をたくさん作っていければと思っています。

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