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レストランとは、「空間」「食事」「サービス」の掛け算

コロナ禍で食事を見つめなおしました。

 コロナ禍で、多くの人が食事を見つめなおしたのではないでしょうか。外食の頻度、食事の材料の買い物、ケータリングの利用など。動物的には、食べることは重要な行為ですが、人間にとっては、食事の時間とはそれ以上の価値であることも、何となく感じました。

 仲の良い友人と、楽しく話しながら食事をしたい。非日常な空間で、ゆっくりとご飯を食べたい。まだまだ、知らない料理を食べてみたい。これらの欲求は、人間ならではの欲求でしょう。

 そして、この1年間、多くの外食産業の方たちも、苦労されているのではないでしょうか?そこで、日経COMEMOが面白い質問をしています。

 私にとって、「レストラン」とは?です。 #新レストラン考  を、私も考えてみたいと思います。

まずは、レストランの定義から

 レストランという言葉の、定義は人によって大きく異なるでしょう。このフランス語のRestaurantは、単に食事をする場所という意味ではないと、私は考えます。

 私にとって、レストランは、食事を楽しむ「空間」で、そして食べたい「食事」があり、さらに食事をプレイステーションしてくれる「サービス」の3つの要素があるように感じます。

 これらを考えるために、もう一度行きたいレストランを思い出してみました。そうすると、そこでしか味わえない空間、そして名物料理、そして素敵なスタッフが浮かんできたのです。これらを整理すると「空間」「食事」「サービス」となったのです。

レストランから食事をケータリングするのは、野球をテレビで観戦することに近い

 この1年間、多くの方がレストランの名物メニューを食べたくて、UberEATSや出前館のようなサービスを利用した人も多かったのではないでしょうか。確かに便利ですよね。このサービス。自宅から出ることなく、食べたいお店の食事が家に届くのです。でも味わえるのは、食事だけで、お店の空間、お店のスタッフのサービスは経験できません。レストランで食べる時には、もっとゆっくりと食べるのに、家で食べると、あっという間に食事が終わるということも起きます。

 これに近い経験は、野球のテレビ観戦です。家のソファで、ゆっくりとビールを飲みながら野球をテレビ観戦することと、野球場で野球を見るのは大きく異なります。野球場での観戦は、テレビより時に集中しますし、臨場感、そして周りの野球ファンの熱気なども感じます。野球を野球場で観戦するのは、野球を行っている空間すべてを感じながら、野球の試合を見ており、テレビ観戦とは大きく違います。

 野球をテレビ中継する初期の頃、テレビ中継は、野球場の入場者を減らすのではという議論があったようです。しかし、実際には野球ファンは、今も野球場に足を運んでいます。

 レストランにも、同じことが起きるのではないでしょうか?今後も、レストランの食事のケータリングは残るでしょう。しかし、自宅でレストランの味を味わったら、それ以上のことを味わいたくなって、レストランに足を運ぶ人も出てくるでしょう。

レストランには、行かないといけない価値が必要

 そう考えると、レストランには、食事という絶対的な価値以外にも、その場所に行かないと感じられない価値があるかどうかが重要なのでしょう。これからは、キッチンだけのゴーストレストランも増えると言われていますが、席も存在するレストランもきちんと残るでしょう。

 ぜひ、素敵なレストランに、素敵な会話をしに、そして美食に会いに、気軽に行けるように。

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本間 充 マーケティングサイエンスラボ所長/アビームコンサルティング顧問

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1992年花王入社、デジタル・マーケティングを牽引。以後、コンサルタントとしてマーケティングのデジタル化を支援。ビジネスブレークスルー大学講師、東京大学大学院数理科学研究科客員教授、事業構想大学院大学客員教授 マーケティングサイエンスラボ(mslabo.org)所長