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自身が経営する眼鏡屋も24店舗になり、幹部の育成、研修制度、にはじまり、記事にあるような理想の上司像について考えることが多くなった。

育成、研修などに限らず、会社運営において一つ大事にしている考え方、価値観が「自主性」だ。

根本のところで、自分で学びたいと思っている人じゃなければ教えても大した成果は得られない、乱暴な言い方をすれば意味がない、とまで思っているところがある。

あなたには〇〇が必要だから△△の研修を受けなさい、本を読みなさい、というのは楽なんだけど、そうではなくて、〇〇って大事だよね、というのを匂わせながら「本人に〇〇が必要」、ということを自己認識させて、できれば自分の口でこういう勉強がしたい、と言えるようにもっていく動機付けが極めて重要になってくる。

このやり方だと何倍も時間がかかるし、時にはいらいらすることもあるかもしれないけど、結果的に自主性のみならず自分で考える力もつき、最終的にマネジメントコストは劇的に下がる。

求めてこない者に対して教えても意味がない、と断言したい。

指導者視点では内発的な動機付けをしていくことが重要になってくるが、個々人に関しても、自分自身で身の回りのものに興味や好奇心を持つとか一歩踏み出す勇気を持つとか、日々の心構えを変えるだけでも全然変わってくる。

与えてくれる、教えてもらえる、という受け身の姿勢だとなかなか厳しいし、成長していかない。

そもそもの話だけど、自分の人生、キャリアなんだから、自分の成長を誰か他人に委ねるのがおかしな話で、自らの成長には自ら責任をとらなければならないし、とるべきだと思う。

もちろん自社でも強制のもの、任意のもの含めて研修なりを用意しているが、なるべく自主性を重んじるようにしている。例えば幹部向けに社長研修という名の1on1を行っているが、強制にせず、手をあげてきた人のみに対して行ってきた。

読書でさえもそうかと思う。
これ読んでみなよ、と上司に言われてただ呆然と読むだけだと何も頭に入ってこないのではないか。

高い効果を得るには今の自分に何かが足りなくて、その答えがそこにあるから読め、と言っているのか、もしそうであれば、それは何だろうか、という一歩進んだ前向きな姿勢、推測が必要になってくる。もちろん考えた上でそれでも分からなければ、上司なりに助けを求めればよい。

私自身が本を読むときもそうで、今知りたいこと、今の課題、が先にあることが多く、それに関連する内容が過去読んだ本の中になかったか思い返したりする。本を手に入れた後も冒頭から読まず、まずどこに探している答えがあるのか、目次をじっくり読むことから始めることが多い。

これまでの経営経験の中で、研修だけでなく、組織運営においても、個々の自主性をなるべく重んじる、ということを大切にしてきた。

基本的にやりたい人にやらせる、昇進も立候補制をベースとしている。
個々の自主性を尊重するだけでなく、自主性への期待。そして、自主性の期待の裏に必要な、失敗を許容する文化、挑戦者を賞賛する文化、全て繋がっていくものだ。

今後更に拡大する中で一部変わっていくこと、変えなければならないことも出てくるかもしれないが、これからもできるだけ大事にしていきたいと思う。

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