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説明会はメタバースが当たり前になるか?

多くの学生が説明会で何を情報収集すべきかわかっていない

勤務校でもそうだが、他の大学の学生から就職活動の相談を受ける中で、数十年前から変わっていないなと感じることの1つが会社説明会に臨む学生の態度だ。世の中にどのような企業があるのかという知識が不足し、尚且つ、自分がどのような業界や職種に興味があるのか、就職活動が本格化する3年生の夏休み前に固まっている学生は少ない。

多くの学生が企業を知り、業界や職種の興味を固めるのが会社説明会だ。企業が単体で行うものもあるが、就職活動を始めたばかりの学生にとって重要な情報源になるのが複数の企業が集まって開催される合同会社説明会になる。
しかし、それまで企業と接点のなかった学生が会社説明会に行っても、ただ説明会の話を聞くだけで、どのような情報が就職活動で役立つものなのか判断がつかない。あまりにも自分の中に引き出しがないために、「なにか質問がないですか?」と説明会の登壇者に聞かれても頭の中が真っ白で質問も出てこない状態だ。
そういった学生にとって、会社説明会での有意義な情報収集の仕方を誰かにききたくても、だれに聞いたら良いのかわからず、なかなか難しい。また、自分がわからないということを他者に相談するのも気が引けてしまう。

会社説明会でのメタバースの活用

そういった、就職活動初心者の学生にとって、オンラインでの説明会はありがたい存在だ。オンラインになることで、「自分がわからない」ということを表に出しやすくなる。これは大学の授業でもよく見られる現象だ。対面ではまったく質問があがらないのに、オンライン講義では講師へのDMで質問が頻繁に来る。

特に、オンラインでの説明会はメタバースと相性が良い。オンライン独自の匿名性から、自分がわからないことを他人に聞きやすく、本音での話し合いがしやすくなる。現在は、ネオキャリアなどの一部企業でしか取り入れられていないが、今後、更に導入する企業が増えるだろう。

メタバースというと、数万円する高額なVRヘッドセットが必要なイメージがあるが、必ずしもそうではない。MMORPGの要領で普通のPCで使えるものもあれば、スマホでメタバースを楽しむことも可能だ。

メタバース上で会社説明会をすることのメリットはいくつもある。例えば、会社説明のプレゼンは動画にして、好きな時に自由に閲覧することができる。あらかじめ担当者の在籍日時を告知しておけば、リアルタイムでのやり取りをすることもできる。また、メタバースで匿名性があがるからこそ、学生も本音での話をしやすくなる。

また、対面式での会社説明会では、どうしても企業の知名度によって学生の集客力に差が出てしまう。しかし、メタバースではコンテンツ次第で知名度の低い企業も学生を集めることができる。これは時間的な制約が対面と比べるとなかったり、メタバース説明会に参加している学生にどのような企業からでもアプローチできる能動的なアクションをとりやすいためだ。

メタバースの説明会は、地方の学生にとっては、授業や地理的な問題から参加が難しくなる事態を防ぐこともできる。いつでもどこでも参加できることが、メタバースの強みだ。

これからの日本は、より人手不足が深刻化するものと思われる。そのようななか、新卒採用におけるメタバースの活用は1つの新たなツールとして大いにポテンシャルを秘めている。

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