自分だけの掛け算を作るための”複”
激動の2020年もあとわずか。今日はPlug and Playのオフィスに出社していますが、先週が仕事納めの人もいたし、今日が仕事納めの人もいたりして、オンライン・オフラインで「良いお年を!」と言葉が飛び交っています。
私は年内はもう少し仕事が続きます。Plug and Play自体は24日がOfficialな仕事納めですが、at Will Work の方は29日にイベント登壇が控えているのと、来年の最後のカンファレンスに向けて色々と追い込みがあるのでまだまだ仕事モード。毎年ちゃんと仕事が納まって年越しをした記憶がないのですが(それもどうかと思いますが)、またそれはそれで私らしい年越しだと思うようにしています。
いつもそんな年越しなので、振り返りはギリギリなのですが少しだけ早めに振り返ると、今年が一番”掛け算”の立場での登壇や相談が多い1年だったと思います。今の私はこの3つがあるから私しか話せないことがある、というのを実感した1年でした。
一般社団法人at Will Work 代表理事
Plug and Play Japan株式会社 執行役員CMO
一般社団法人マーケターキャリア協会 理事
掛け算の立場があるからこそ、ユニークな観点を持てたり情報が入ってきたりということがあるので、様々な立場を持つ・経験するということは私は大賛成です。一つだけだと上には上が沢山いて、”自分だけの視点”ってなんだろうと悩み、背伸びしてしまうこともあるかと思うのですが、掛け算になると気にならずに自信が持てるようになります。なので相談を受ける時にも”掛け算”の考え方をよく話しています。
そのため「副業賛成派なんですね」とも言われることがあるのですが、実はそれはちょっと違います。副業(複業)・兼業に関しては賛成でも反対でもない、というのが私の意見です。
at Will Workを設立した5年前と比較しても、格段に周りに複業をしている人は増えました。一方で、この記事にもある通り社会全体としてはまだ一部であるという結果も出ています。(それでも3割が経験しているというのは5年前と比較すると格段に増えてますが)
また新型コロナウイルス感染拡大を受けて、事業継続をするためには社員を、そして生活を守るために副業は致し方ないと副業を解禁した会社も少なくありません。ただここではあくまで”副”なのだと思います。今回のテーマである”複”はまだ少ないのが現状ですが、掛け算の話はまさにこの”複”です。(掛け算ですからねw)
副業・兼業の相談を受ける時に私が話しているのは、「まずは身近なところでの”複”を持ちませんか?」と言うこと。
コロナ”前”の副業・兼業の話でも、『働き方改革の実施で残業が減らされてしまって給与が減ったので補うための副業をしたい』というものがありました。そうなると時給がいい仕事を選択していく必要があり結果的にガソリンスタンドでのアルバイトを副業として許可してほしい、という申請をもらったという話を聞きました。Rice Workとしての”副”はあまりお勧めしないと話していますが、個々の事情は異なりますし、”成長”するための”複”業があるべき副業の形だ、とも言うつもりはありません。
長い期間働く現代。そして誰にも1日は24時間しか与えられていません。様々な経験が重なってくるからこそできることが増え、自分だけしかできないこと、自分だからできることが創られていき、それがいわゆる”キャリア”になっていったり、成果やお金に繋がっていくのだと思っています。我慢して下積みを、と言うつもりは毛頭ありませんが、いろんな引き出しがあることによって様々な選択肢が生まれてくると言うことは確か。
その引き出しを作るための手段の一つが”複”業であると私は考えています。ただ、その”複”は社外だけにある物でも実はなく、社内や身近なところにも意外とあります。
そしてその時に一つだけ気をつけて欲しいのは「学ぶために”複”業をする」のではなく「何かのプロとしての”複”業をする」ということ。結果的には学ぶのですが、『何かに貢献する』という意識があるかないかでは大きな差があると思っています。その道何十年のプロ、である必要はありませんが、自分が貢献できることは何か、自分だから言えるコメントはあるかという気持ちを持っておくことが必要です。結果的に思ったように言えなくても、まずは”その”視点を持つことをよくお勧めしています。
これから益々個人としての存在が問われる社会になってきます。その時に必要なのは自分しかないユニークさ。自分だけの掛け算、考えてみませんか?