ジム・ロジャーズ 『日本への警告』3 家族とお金を守るための成功法則1
ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。前回同様、ジム・ロジャーズ氏へのインタビューの中から皆さんにとって役に立つメッセージをご紹介していきます。今回は家族とお金を守るための成功法則をお伝えします。
人生を成功させるために、「これをしなさい」という単純な答えは存在しないということです。インタビュー中でも頻繁に「正解は本のページに書いてあるわけではない」と言っていました。しかし、人生で成功をするために「やってはいけない」ことは複数あると言い、9つ教えてもらいました。その中から紹介していきましょう。
##結婚・出産を急ぐな
「ほとんどの人間は二三歳のときには何も知らないものだ。自分自身についても、そして世界についても。自分がどのような人生を歩み、どんなパートナーを望むのかも、なかなか理解することができないだろう。物事がわかるようになるまで結婚を待つことは、人生で成功を得るうえで重要なことだ。」
人間がロボットのように効率的であれば、早婚の方がライフプラン支出を前倒しにできるのでおトクのように思えますが、そういうわけにはいきません。独身時代が長いと無駄遣いも多くなりますが、それは自分を知るための投資でもあります。また、ロジャーズ氏は早く結婚をした失敗談についても語ってくれました。
「二〇代のときに経験した最初の結婚は大失敗で、自殺を考えたくらいだ。やはり、自分のことを何も知らない若者にとって、結婚は悲劇となり得る。
私が人生で初めて子どもを授かったのは六〇歳を過ぎてからだった。もし私が三〇歳の頃に子どもがいたとしたら、子どもにとっても、子どもの母親にとっても、そして私自身にとっても、ひどいことになっていたことだろう。」
2015年の厚生労働省統計情報部「人口動態統計」によると、平均初婚年齢は全国平均で夫が31.1歳、妻が29.4歳、東京都では夫が32.4歳、妻が30.5歳です。韓国やシンガポールでも日本に近い数字で初婚年齢や未婚率が上がっています。晩婚化は各国の少子化問題に深刻な影響を与えますが、個人のライフプランを考える上では結婚を遅らせた方が失敗は少ないと言うのです。
海外では産後のキャリアの温存戦略を若いうちから真剣に考えている女性は多いです。役職を持ち、ルーティーンワークを減らしたほうが時短やリモートで働きやすい部分もあります。次回は「お金について学ぶ」コツについてお伝えします。