世界の外貨準備の潮流は第二次多様化へ

私は外貨準備構成通貨に関しては①1999年以前、②1999~2009年、③2009~現在という3つの局面に分かれると考えてきました。①はドル一強、②はドルからユーロへのシフト、そして③はユーロから非ドル通貨へのシフトです。②では第二次基軸通貨としてのユーロが持て囃され、この10年間で約10%ptsもシェアがアップしました。しかし、欧州債務危機を経た③では、約10年で再び約7~8%pts落ちたという格好になっています。

では、ユーロシェアが落ちた分はどこへ行ったのか。もちろん、ドルに戻った部分もありますが、結論としては円やポンドはもちろん、カナダドルや豪ドルといった通貨を含め、「広く薄く」散っています。特にカナダドル&豪ドルの伸びは著しく、両通貨を合わせれば5年前の円やポンド並の存在感があります。

ちなみに17年10~12月期、前期比で最もシェアが伸びたのが円でした。2017年はさして円高になってないにもかかわらず円シェアが伸びたということは、それは価格要因(つまり為替差益)ではなく、それなりに数量要因(つまり本当に買い増しされた)が効いていた可能性があります。理由は不明ですが、やはりリバーサルレートの話が出たあたりから出口を見込む向きが増えていたので、その関係もあるかもしれません。2000~2009年が第一次多様化だったとすると、2009年以降は第二次多様化が進んでているように感じています。

https://jp.reuters.com/article/imf-dollar-reserves-idJPKCN1H90KS

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