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増え続ける新卒学生の内定辞退...企業が取るべき対策とは?

日経COMEMO KOL / 株式会社Another works代表の大林です。複業したい個人と企業・自治体を繋ぐ総合型複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営しております。

就活の早期化・長期化が叫ばれる今、学生はルール改定されたインターンシップや選考活動を通じて志望企業を見つけ内定獲得に向けて奔走する反面、企業はあの手この手を尽くして熾烈な獲得競争を経て新卒者の獲得を目指す状況が続いています。より早く、優秀な学生に内定を出す動きが広がっている中、企業にとって死活問題となっているのが内定辞退数の増加です。

売り手市場である現在、複数の企業から内定を獲得する学生が増加し、それに伴い、内定辞退数が増加傾向にあるといいます。日経電子版によれば内定式以前の「内々定者」のうち、辞退者が5割以上いると答えた企業は29%と、4年前に比べ18.9ポイント上昇したそうです。

また、2025年卒予定の大学生を対象にした調査によれば、就職内定率は前年同月比で4.8ポイント高い84.8%、内定辞退率は61.4%といい、非常に高い辞退率を示しています。

では、内定辞退を防ぐために企業ができることは何か。1つの重要なファクターはその企業がどこへ向かい、何のために仕事をするのかという企業の理念やビジョンを伝え、共感を生むことだと考えています。

前提として選考活動の本質は、候補者が自社の理念やビジョンに共感し、共に歩んでいけるパートナーになれるか双方向のコミュニケーションを通じて企業も個人も見極めることだと考えています。企業側のスキルや経験のチェックの場ではなく、候補者にとっても会社を知り、その人の価値観や志を伝え見極めるための重要な時間です。

内定後にしっかりと繋ぎ止めることも1つ重要なアクションですが、内定を出す前の選考活動を企業と個人がお互いを深く理解し合える場にすることが、ミスマッチを防ぎ、内定〜入社後の活躍につながるでしょう。

また、今や多くの企業が選定しているMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を候補者に対して正しく明瞭に、想いと共に伝えることも欠かせません。

候補者が内定を承諾し、入社〜活躍するために重要な「会社が目指す未来への共感」を抱いてもらうためには、解決したい課題や目指す未来の自分ごと化が欠かせません。誰の何を解決したいのか、誰のどんな未来を作るために事業を推進しているのか、解像度高く鮮明にイメージし、自分自身の人生の時間を使ってその未来を”自分が”実現したいと思うことではじめて共感が生まれ、強い入社意向と入社後の活躍が期待されます。

だからこそ、ミッションを作る際に気をつけるべきことは、「全人類の幸せを作る」といった漠然とした表現は避けることもポイントです。どういう幸せを作りたいのか、漠然とした理想像では共感は生まれにくいのです。より具体的に脳裏に未来を思い浮かべることができる手触り感が必要です。

Another worksでは、ミッションに「複業の社会実装を実現する」、ビジョンに「挑戦するすべての人の機会を最大化する」、行動指針であるバリューを9つ掲げています。カジュアル面談・採用面接・その後の面談やイベントなど会社について説明する際は欠かさず「なぜこのミッション・ビジョン・バリューを掲げているのか」「これらが実現した未来はどのような世界なのか」「これらが実現しなかった未来はどうなるのか」など我々の存在意義を言葉にして伝え続けています。

これからも複業が当たり前になる世の中を目指し、複業のリーディングカンパニーとして前進し続けてまいります。我々の会社に興味を持ってくださる方がいれば嬉しく思いますし、革命仲間を集める企業の皆さんに少しでも参考になるお話であれば光栄です。



大林 尚朝 / NAOTOMO OBAYASHI
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