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レディ・ガガのアメリカ国歌独唱の意味

 先日のバイデン大統領の就任式でのレディ・ガガの国歌独唱を映像で見ました。
 最初見た時には、熱量が入った素晴らしい歌唱だ、と思ったぐらいでした。
 
 ところが、アメリカ国歌の歌詞を改めて調べた上で聞くと、今回、新たな意味が込められており、聞いているアメリカの人たちもそこに心を動かされていることに気がつきました。日本人は、あまり気づいていないと思うので、共有します。

 この国歌"Star-Spangled Banner"は、直訳すると「星がちりばめられた旗」です。
 この詞は、「劣勢の戦いの中でもまだ希望はある。砲弾の爆発や赤い光が夜通し続く中でも、あそこに我々の旗があるのがその証拠だ。星がちりばめられたあの我々の旗が今もたなびいているのが見える。」と歌っています。これは実は、英米戦争での厳しい戦況の中での戦場での詩人の思いをうたったものです(その拠点を占領されたら、旗は見えなくなるはずなので、まだ旗が見えることに希望を見出しているものです)。

 ところが、先日の議事堂襲撃後のこの状況で聞くと全く違う意味に聞こえます。
 歌っているガガさんも聞いている大統領を含めた多くの聴衆も、この歌詞の意味を、「国を一つにする闘いの状況は厳しく、銃声までがとどろくまでになったが、我々には希望がある。あの我々の旗が見えるのがその証拠だ。今もあそこに、星がちりばめられた我々の旗がたなびいている姿が見える。」と聞こえていたと思います。
 特に、"our flag was still there,...star-spangled banner yet wave."のところで、ガガさんの声にも力が入り、皆が感極まっているのが見えました。
 
 そもそも戦場での劣勢での心情を、国歌で歌っているというのは、日本の国歌とは大きく異なります。しかし、その気持ちは日本人にもよくわかります。普遍性があります。

 そして、厳しい状況でも勇気を持って前に進もう。自由の土地で。と閉じます。
 O'er the land of the free、and the home of the brave!

 この困難な国の状況に立ち向かう気持ちを共有していたと思いました。
 この「自由の土地」の負の側面が、襲撃事件ではある意味出ましたが、困難を超えていく力も米国にはあるとこの歌を聴いて素直に思いました。


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