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ドイツで「ファイナルファンタジー」シリーズの植松伸夫さんの楽曲が初演

ドイツのルートヴィヒスハーフェンで2月29日、ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズの音楽を手掛ける植松伸夫さんのオリジナル楽曲によるオーケストラコンサート「Merregnon: Heart of Ice」の初演が行われます。アニメやゲームの世界観をリッチな音で楽しみたい。そういう需要が高まっているのかもしれません。今回はドイツの事例を参考にクラシックコンサートの可能性を考えてみます。

まず、このドイツのオーケストラコンサートについては、ドイツの有力紙『ツァイト』が植松伸夫さんに独占インタビューを実施し、今回のコンサートにとどまらず広く、自身と音楽との関わりやこれまでの作品などについて語られています。

日本では、高校の吹奏楽部などがアニメの主題歌などを演奏するケースがあり、広く受け入れられつつあるようです。

作品の関係者により公式に行われるクラシックコンサートとしても、例えば今年は、現在大ヒット放送中のアニメ『葬送のフリーレン』のコンサートが8月に開催されたり、アニメではないですが初音ミクの楽曲をリッチな音で堪能できるクラシックコンサート『初音ミクシンフォニー』が4月に実施されます。

アニメやゲーム、ボカロといったポップカルチャーの音楽をクラシックコンサートというリッチな音楽で堪能したいというニーズはコロナ前でもすでに日本国外でもありました。

筆者は例によってドイツの事例を取り上げますが、同様のトレンドは少なくとのも欧米では共通しているのではと思います。

ドイツでは、今年1月にキャラクターデザインが日本的な中国のスマホアプリゲーム『原神』の公式コンサートがデュセルドルフの「三菱電機ホール」で開催されました。XなどのSNSでの反応を見る限り盛況だったようです。

今月2月には、ベルリンでゲーム『NieR:Automata』の公式コンサートが行われ、制作元のスクエア・エニックスの公式アカウントがXでその様子を投稿しています。

そして、2月29日の植松伸夫さんの楽曲コンサートのあとも、5月には数々のジブリ作品の音楽を手掛けてきた久石譲さんのコンサートがデュッセルドルとミュンヘンで開催予定となっています。このコンサートについては、過去のドイツにおけるジブリ人気についてまとめた投稿でも触れています。参考にしてみてください。

以上は単独開催ですが、この他にもアニメファンが多く集まるいわゆるアニメコンベンションと呼ばれるイベントでは、マンハイムで開催される「AnimagiC」を筆頭に、アニメやゲーム音楽のクラシックコンサートが行われています。筆者の印象では年々増加傾向にあります。(下記リンクは、「AnimagiC」のステージプログラムのひとつ「Anime in Consert」)

こういったドイツの事例からどういったことが見えてくるのでしょう?

それは、アニメやゲームなど日本を中心とするポップカルチャーが世界を席巻しており、その好調を受けて国外の関連ニーズも拡大傾向にあるのではないでしょうか。

もちろん、アニソン歌手によるライブやロック音楽も需要があると思います。例えばドイツは、元来クラシック音楽の本場でもあり、たくさんの楽器演奏者とその演奏を聞く観客の下地があるという点も見逃せません。であれば、日本からもさらに協力し、需要に応えてもいいのではないでしょうか?フリーレンのオーケストラコンサートや『初音ミクシンフォニー』をドイツに輸出してもいいのかもしれません。(ドイツ在住の筆者が楽しみたいだけではありません!)

今回は以上です。皆さんはどう思われますか?


タイトル画像:植松伸夫さんへの独占インタビューを掲載した独紙『ツァイト』が表示されたスマホ画面。筆者宅で撮影。


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