衝突事故があって中国の自動運転の勢いは止まる?思い出す2011年の新幹線事故とその後
つい先週のニュースでこんなものを目撃しました。
↑Baiduの無人運転の車が衝突事故を起こした写真がアップされました。写真を見る限りけっこう激しく事故っていて、車輪が外れ、地面にはサスペンションの部品などが散乱していて深刻なダメージがありそうに見えます。
Baiduの発表によると、テスト走行中の車両に後方の乗用車が不注意で衝突した、負傷者はいないとされてましたが、ネットではいろいろなコメントがついていました。これを見て、まだ当分実用化されないんじゃ?と思われるかもしれませんが、中国で無人運転はもう実用まで近いんじゃないかとの記事や投稿をたくさん目にします。
ご存知Baiduの自動運転車は北京、重庆、阳泉、武汉などで拡大していて、受注台数は100万台に達しているとのこと。日本でも少し報道されていましたね。
今年7月にBaiduは第6世代の無人運転車「Apollo RT6」を発表。Apollo RT6は複雑な都市道路上で無人運転する能力が備わっているうえ、もともと100〜200万元と言われていた生産費用が25万元にコストダウンされているとのこと。
自動運転車の通常利用拡大が現実味をおびてきたからか、Baidu以外も続々と参入してきています。
まずはxiaomi。日本のみなさんだと、スマホや家電のイメージはあっても車を作ってるとは知らない人も多いかと思いますが、以前にnoteで車への取り組みを紹介したことがあります。
8月11日夜、Xiaomiの秋のカンファレンスで名物CEOの雷军さんが3時間にわたるスピーチをしたのですが、その中で「シャオミーの自動運転技術はテスト段階に入っていて、順次全国でテストした後に2024年には自動運転車業界のTOP集団入りを目指す」と宣言。
これが口だけではなく、自動運転に33億元以上を投資。600人以上のチームを持っており、センサー、アルゴリズム、高精度地図や測位など自律走行のための技術人材をフルスタックでカバーしています。さらに、カンファレンスではシャオミーの自律走行プロジェクトの進捗状況を示す映像を初めて公開し、障害物の自動認識、追い越しのためのアクティブレーンチェンジ、駐車車両の自動迂回、事故車両の自動迂回、歩行者への降車、車両のワンタッチ召喚、ロボットアームによる自動充電などの機能が公開されました。
↑たしかに自動運転だと充電なども自動になっていくんですね。燃料補給やメンテナンスなんかも自動になる日が近いのか。。
Xiaomiだけではなく、EV自動車企業で有名な小鵬汽車(xpeng)にも動きが。中国の電気自動車(EV)メーカーで自称マイバッハに匹敵するという小鵬G9の車をリリースして話題になってました。彼らは自動アシスト車を提供しているのですが、これからはアシストを超えて自律走行も視野に入れていくと。
ただ、小鵬汽車の自動アシスト車「E7」が派手に事故を起こしたことが話題になっていたりします。
↑寧波市の高速道路で死亡事故。事故を起こしたP7は高速道路で故障で止まっていた車とその近くにいた発煙筒を持っていた人を認識できず、猛スピードのまま追突した。
冒頭のBaiduの衝突事故は後ろの車の責任ですが、こちらは完全にP7の自動アシストの問題。複雑な道路状況に反応してくれなかったのでだいぶ大きな事件です。
といっても自動運転の普及はどんどん進みそうな感じがすごくします。8月15日には中国科学技術部(省のこと)が次世代人工知能の応用をサポートするお知らせを発表したのですが、なかでも無人運転の応用を特定道路から一般道路に拡大し、高速道路での無人物流や無人運転の乗用車やバスの発展を推進するなどが書かれました。
こういった事件があって、中国では国産新幹線の発展の話が思い出され議論されます。2011年に温州で国産新幹線の衝突事故があり、相当な死傷者が出ました。いろいろありましたね。
この時、一旦開発を控えめにすべきだの雰囲気があるなか当時の開発の管理指導者の判断で開発の持続を支持するという極めて困難な決定がされました。その決断が今の発展に繋がったという説があります。無人運転も事故を乗り越えてより一層発展できたらと期待される声がたくさんあります。
ちなみに百度が重慶と深圳で安全員なしの無人タクシーサービスをやってますが、人がいるタクシーより高いです。個人的にはまだ人ありのに乗ってますが、今後大きなキャンペーンが登場して普及していく未来を予想です。
(参考資料)