ペンス副大統領のアジア歴訪と日米豪印のセキュリティダイヤモンド

  ペンス副大統領が11月11~18日の日程でアジアを歴訪中です。12日には日本を訪れ、13日には安倍首相と会談します。今回の歴訪で興味深いのは、訪問先と会談(2国間)の相手方です。すなわち、日本、シンガポール、オーストラリア、パプア・ニューギニアを訪ね、安倍首相、シンガポールのリー・シェン・ロン首相、インドのモディ首相、パプア・ニューギニアのオニール首相、豪州のモリソン首相と会談します。

 シンガポールはASEAN会合、パプア・ニューギニアはAPECサミットですから、日本とオーストラリアへの訪問の意味が大きい。会談の相手としては、訪問先でないインドのモディ首相が重要ということになります。判じ物のように浮かび上がるのは、「米国と日豪インド」です。この4カ国の間には「日米豪印の戦略対話」があり、例えば今年6月にはシンガポールで日米豪印協議が実施されています。

この4カ国は民主主義という価値観を共にする形で、近年結束を強めています。話題になった10月4日の対中政策演説でも、ペンス副大統領は「太平洋」ではなく「インド・太平洋」という表現を用いました。こう考えると、ペンス副大統領のアジア歴訪の名宛人が中国であり、4カ国の結束により自由や民主主義、法の支配といった原則を打ち出そうとしていることがうかがえます。

ところで2007年にインド議会演説で「自由で繁栄するインド太平洋」を訴えたのは当時の安倍首相ですし、日米豪印の4カ国による「セキュリティダイヤモンド構想」を提唱したのは同じく政権に返り咲いた安倍首相です。トランプ政権になり、その構想がいよいよ現実のものになりつつあるともいえます。その意味でも、今回のアジア訪問でペンス副大統領が発するメッセージから目が離せません。

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日本経済新聞編集委員・WBS解説キャスター。主にマクロ経済や金融をフォローしていますが、テレビでは様々な分野にチャレンジしています。

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