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中国Topインフルエンサー薇娅(ウェイヤー)の脱税問題への中国ネット民の意見

先日の中国ライブコーマスセールスの女王「薇娅」(Weiya)の脱税問題は日本でもかなり報道されていましたね。かなり前に書いた下記のnoteがけっこう読まれてました。

この件について、日本のニュースでは脱税の内容うんぬんではなく、中国政府が富裕層を叩くことに着目する記事があまりに多いなと感じています。

ということで、今日も日本のメディアではあまり報じられていない
・今回の脱税事件は実際どんな経緯と理由があったのか
・中国のネット民の声
を届けたいと思います。

■一連の出来事についてを詳しくまとめ

日本でも一部で報道されましたが、脱税容疑となったのはNo.2の「薇娅」だけではありません(1位は李佳琪)。彼女の税務調査が行われる前に、3番手の「雪梨」ら何人かのトップクラスのライブ販売のスターへの取り締まりが行われました。

2021年11月22日、杭州税務局は脱税の容疑で雪梨に9000万元弱の罰金を要求(約16億円)。

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当時ネット民たちは「3位と言っても規模が明らかに2トップと桁違いの雪梨ですらこんなに膨大な脱税金額があるとは。2トップは大丈夫なのか」と心配していたのです。

そしてその心配が現実となります。1ヶ月後の今、薇娅が収入隠蔽や性質の転換などで脱税した税金の追徴や罰金などで合計13.41億元(約220億円)を払いました。しかもこれは1年間の金額です。

以前、人気女優ファンビンビンに関する脱税報道をまだ覚えている方もいるかと思います。中国の場合、脱税した金額と課せられた罰金さえ払えば捕まることが少ないです。

実は国家税務総局は9月の時点でライブコーマスなどいわゆる新経済の従業者への税務問題の改善を求めていました。これにきちんと対応すれば処罰が免じられます、そしてすでに数千人が対応していたとのことです。

実際のところ、なぜ脱税に至ったのかは諸説ありますが、雪梨も薇娅も税金回避についてはプロに任せていて、そのプロの専門性が足りなかったか、今までバレなかったorグレーゾーンのやり方が持続できなくなった、というのが最大の原因だと目されています。

そして処罰として2人ともオンラインでの販売に関わることが禁止されました。これには悲しんでいる視聴者がたくさんいるし、ビジネス上関係があった人たちは対応で大変な目にあっています。

■なぜ処罰?なぜ今?

庶民の感覚からすると、こんなにお金持ちなのに全力で税金を回避するのはなぜ?と思いますよね。中国では収入の性質と金額によって納税のパーセンテージがかなり変わることも原因です。

中国で現在実行された所得税の基準では、年間収入が6万元(場合によってプラス数千元程度)の控除額があります。超える場合は収入が高ければ高いほど税率が高いです。単純化すると

3.6万元未満の場合は納税は3%
〜14.4万元の場合は納税は10%
〜42万元の場合は納税は20%
〜66万元の場合は納税は25%
〜96万元以上の場合は納税は45%

になります。日本の累進課税とほぼ同様ですかね。

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↑資料によると、薇娅が2019年1月から2021年9月1日の間の収入が57.357億元だと記載されています。つまり薇娅は税金回避などをしなければ、例え年間20億元の収入がある場合でも9億元も納税しなければなりません。

これを個人ではなく会社の収入にすれば、個人所得税から法人税になります。それでもかなり高いですが45%よりはずっと抑えられます。そしてよくあるのが、地方で複数の会社を設立して関連取引などの手法により最終的にお金が誰のポケットに入っているかの誤魔化しでした。

でも近年のIT技術の発達や税金システムの導入、おまけに人工知能やビッグデータの活用によってお金の流れがかなり正確にトラッキングできるようになっていて、経営がおかしい会社も一目瞭然になってきているのが中国。

さらに、新経済が勢いよく伸びていて既存の小売経営システムに大きな影響を与えるのに、納税金額が全然異なることは国の税金収入には支障が出ると問題視されている背景があります。

■中国のネット民の声

ここからは、日本のメディアが曰く「富裕層を叩いて国民の支持を得る」になっているかどうかについて。ネット民の意見は相当かけ離れていると実感しています。

まずは年間収入が20億元を超える人(薇娅)は富裕層だと認識されていない、もはや立派な大富豪だという点。すぐにでも13億元の罰金が用意できる時点で、資産は多くの上場企業をも越えているのでしょう。

もちろんすごく注目を集める人なので、報道が出た時点で複数のプラットフォームの話題のトレンドをジャックして大騒ぎとなりました。

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↑有識者が多いの「Zhihu」では話題ランキングの一位

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↑この件もありネット民に相当心配された「李佳琦」が一位だが、トップ10には薇娅関連の話題が半分、そして全内容がライブ中継販売主や税金問題関連の話題でした。

脱税額と罰金の金額があまりにも大きいから庶民には想像しづらいとの意見が多数。するとあるネット民が分かりやすく説明してくれました。

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↑2020年7月19日までに、中国ではコロナ感染者やその疑いのある国民への医療保険金としてトータル12.32億元が使われてます。また、宇宙計画の月へいく一号飛行機プロジェクトの総額が14億元です。罰金の13億元に相当します。

また、なぜ金持ちへのバッシングだと思わないかについても。このネット民の声が一般の人の意見を反映した良い例だと思います↓

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要約すると

時代の波に乗っていっぱい稼ぐのはいいが、そこに感謝の気持ちもなく、法律違反までして国のお金になるはずの税金泥棒をして、国からの優遇だけを受けるのはあまりにも良心がないです。このような人になんとかしないと、きちんと法律を守って真面目に頑張ってる人たちには不公平で許されないです。

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研究員の新入社員の月給は納税金額にも達してないのに、単なるインフルエンサーの脱税罰金でもコロナ対策の基本医療保険並みだと。今の子供がなりたい職業にはインフルエンサーが上位でとても気持ち悪いです。

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かわいそうと思ったが、罰金払っても資産70億元があることを知ったら、どうでも良くなりました。

政府からの制裁として薇娅は全ネットでの露出がブロックされていますが、これは割といい結末では?と思う人もいます。このまま露出し続けると無責任と痛烈バッシングされそうですので、それを防ぐことができたとの考えもあります。金銭が彼女のやりがいの全てとは全く思いませんが、これだけの資産があればもはや利子だけで来世でも裕福な暮らしがおくれるでしょうと。

また、こんな面白い投稿も↓

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薇娅を研究対象にした卒論があと9日間で口頭試問なのに、どうすればいいかの..

かわいそうな大学生もいました笑

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↑他にも。「もしいきなり13億元を手に入れたらまず何をしますか」に対して、「まずは所得税を払う」の答えはちょっとツボでした。

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↑面白いことに、国のメディアである「光明网」が今回の記事をアップした編集者の名前がまさかの「李佳琦」。同業者競争?話題作り?と思いきや、たまたま本名だそうです。

日本ではこのような声はあまり報道されてないんではと思いました。それどころか、なんでもかんでも中国政府の意のままでやべー国だ、といった内容も多く、現地とかなり温度差があるように思います。今後も生の声をシェアしていきますのでフォローして応援ください。あと中国は脱税はどんどん難しくなってますので、この話もまた今度書きます。

(参考資料)

https://youtu.be/lMBhayVcHHo

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