「会いに行けない」アイドルとは何か?

アイドルと聞いて、何を思い起こすだろうか? 選ばれしもの、遠い存在、憧れ、、、山口百恵やピンク・レディーといった往年のアイドルに思いを馳せる人も多いのではないか。ところが、最近の主流は身近な「会いに行ける」アイドル。AKB48が開拓したこれまでの常識をくつがえすシステム、つまり「常設劇場」「CDに握手券をバンドルして、各地で握手会を開催」等である。

https://imidas.jp/jijikaitai/l-40-124-10-10-g391

ところが、AKB48登場から早12年。時代がひとまわりし、このブームが変わろうとしている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180418-00000371-oric-ent

「SHOWROOM」というライブストリーミング・アプリをご存知だろうか? 

「ルーム」と呼ばれるアイドルの生放送配信中の空間を訪れると、視聴者はアバターを通じてアイドルとリアルタイムのやりとりができる。さらに視聴者はアイドルに対して無料の仮想アイテムである「星」や、有料で購入できる「ギフト」を“投げ銭”(ギフティング)できるのだそう。

https://www.showroom-live.com/

誰でも配信がスマートフォンで始められるため、非常に敷居が低い。また、「在宅」で配信を行い集客や交流は自身のTwitterなどのSNSで行うため、ファンとの接触は基本的にオンラインのみである。このことがアイドルとしての神秘性や偶像性を高め、「リプ返」(ファンからのコメントに返信すること)を通じてさらにSNSでプロモーションされる。まさに新時代のアイドルである。

最近では「生身ではないアイドル」も人気を博している。バーチャルユーチューバーが、それだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29053520V00C18A4000000/

モーションキャプチャー技術により生身の人間の動きを入力し、仮想のキャラクターが画面上でその通りに動く。視聴者はその「仮想の配信者」を見ていることになる。究極の「会いに行けない」アイドルの誕生である。

AR/MR技術の進化によりどんどん現実と仮想の仕切りが曖昧になってきているが、それがエンターテインメントの世界にも侵食してきた。それが進んだ先にどのような未来があるのか、我々はまだ進化の経過を見ているだけである。これからますます注目のカテゴリーであろう。

[バーチャルユーチューバー: キズナアイ]

https://www.youtube.com/channel/UC4YaOt1yT-ZeyB0OmxHgolA

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