顧客起点経営(カスタマーレッドグロース)があらゆる企業に必要な理由
皆さんこんにちは、あらゆる組織とひとが融け合う未来をつくるコミューンのCEO高田です。
企業と顧客が融け合っている状態とは
わたしたちコミューンは、「あらゆる組織とひとが融け合う未来をつくる」をビジョンに掲げ、事業に取り組んでいます。
あらゆる組織とひとが融け合う未来、それは、組織とひとの間にある「垣根、距離、断絶、摩擦」が解消された未来です。
その世界ではあらぬ誤解はなく、敵かのように対峙することもなくなり、相互に高めあい、助け合う共創関係が構築されるはずです。
それぞれの組織とひとの間で、融け合った先にあるより良い未来を形容する言葉は変わりますが、どの組織とどのひとの間でも、普遍的に融け合いがもたらす価値は大きいと信じています。
そのなかで、企業と顧客が融け合うことは、「顧客起点経営=カスタマーレッドグロース」が実現されている状態、といえます。
わたしたちコミューンは、この顧客起点経営(カスタマーレッドグロース)があらゆる企業にとって必須の経営戦略になると考えています。
では具体的にそれはなんなのか、なぜ必要なのか、解説していきます。
顧客起点経営(カスタマーレッドグロース)とはなにか
顧客起点経営(カスタマーレッドグロース)とは、顧客満足を大前提の起点として、企業活動のあらゆるアクションに顧客のちからを活かすことです。
例えば
✅️ 顧客の声を活かして製品開発やプロモーションをよりよいものにする
✅️ 顧客の友だち紹介により新規顧客を獲得する
✅️ SNSでの顧客の発信が未顧客の興味を引き付ける
✅️ 製品の活用方法が顧客間で共有されて悩みが解決される
などが挙げられます。
顧客起点経営を実現するコミュニティプラットフォームCommuneがサービス開始した2019年初めごろには、顧客起点経営(カスタマーレッドグロース)に取り組む企業はそこまで多くありませんでした。しかし2024年になって、想像以上に多くの企業が顧客のちからを活かした事業成長に取り組むようになっていると感じます。
では一体それはなぜなのでしょうか。
顧客起点経営(カスタマーレッドグロース)の重要性はなぜ増しているのか?
市場縮小
多くの企業では、人口減少=市場縮小の問題が深刻です。日本では毎年人口が80万人減少しています。これは鳥取県や八王子市、杉並区がまるまる無くなるだけでも足りない、ということです。
あらたな市場から新たなニーズを作ることのコストは年々上昇しており、既存顧客やコアユーザーを起点として売上を創出することの優位性が増しています。
生産年齢人口減少
絶対値としての減少に加えて、日本は“人口に占める生産年齢人口割合”がG7で最も低い国であり、かつ減少幅も随一です。つまり、100名の人口をより少ない人数で支えている、ということになります。
だからこそ、GDPは横ばいなのに人件費は年々上昇しています。10数年前にわたしがアルバイトしていた飲食店の時給は950円だったのですが、最近調べたら1,300円になっていました…
つまり、利益を維持するためには多くの顧客により少ない従業員で向き合う必要があります。
業務のDXはもちろんやるとして、より根本的なところで、「なぜお客様のちからがそこにあるのに自社だけで頑張るんだっけ?」という問から顧客起点経営に注目が集まっている、とも言えそうです。
個人のメディアパワーの高まり
最後に、最も重要な変数が、顧客満足の経済インパクトの高まりと、顧客の力を借りることのコスト減です。
例えばわたしのおばあちゃんがなにか素晴らしいor最悪な体験をしたとして、そのことについて話せる相手はよくて10名ほどでしょう。一方で現代に生きるわたしが体験したことについては、今すぐ指先ひとつで何万人にも共有することができます。
つまり企業の視点に立つと、顧客満足の経済インパクトが上がっていて、顧客満足を追うことが合理的になっています。
顧客起点経営の前提は顧客満足ですが、その顧客満足自体の”コスパ”がよくなっており、顧客起点経営のROIも上がっていると考えられます。
また、顧客がメディアパワーを持つようになっていることで、顧客の力を借りることのコストも減少しており、顧客起点経営の投資対効果は大幅によくなっています。
顧客起点経営の効果・事例
売上に2倍の差が生まれる
顧客起点経営は定性的に重要なのではなく、実際に定量的な成果を生みます。
マッキンゼーの調査によると、顧客満足に軸足を置いて顧客起点経営に取り組む企業(CX Leaders)とそうでない企業(CX Laggards)では、売上成長に2倍の差が生まれています。
具体的な事例
実際にいくつもの企業が顧客起点経営に取り組み、成果を出しています。
例えば音声配信サービスのSpotifyでは、顧客からのフィードバックを通じた改善を創業初期からサービスの核に位置づけ成長してきました。現在も高精度なパーソナライズ機能は顧客からのフィードバックを反映してレコメンドエンジンを強化することで実現しており、顧客起点での改善に取り組み続けています。
またコミューンの顧客企業であるベースフードでは、IR資料でもコミュニティを通じた顧客との共創を競争力の源泉と明示しています。
強い研究開発力・マーケティング力と顧客との強固な関係性が掛け合わされることで、よりよい製品をスピーディに開発提供し、より精度の高いプロモーションを行い、成長を実現してきました。
コミュニティユーザーのLTVは通常ユーザーの1.8倍にも上っています。
*上記記事は2021年のものですが、直近ではコミュニティユーザー数が50,000人を超えたことを発表されています。
顧客起点経営(カスタマーレッドグロース)の実現ステップ
では、顧客起点経営はなんとなくよさそう、となったとして、実際にどのように自社で取り組んでいくべきでしょうか。
こちらが顧客起点経営(カスタマーレッドグロース)の実現ステップです。
まず第一に、なんとなくで始まらないようにするために、長期ビジョンおよびマインドセットの策定が必須です。
その後は、バズワード化して終わらないように、具体的に起点となる業務や部門を特定し、更に社内での貢献度や影響度、浸透を高めていくステップを設計します。
そのうえでようやく具体的な施策です。顧客起点経営(カスタマーレッドグロース)では、クイックウィンが重要です。クイックウィンがあって、当該施策の改善はもちろん、価値提供範囲の拡張につながっていきます。
<告知>
こちらのステップの詳細やフレームワーク、については、10月24日(木) 13時〜13時50分に開催するウェビナーにてわたしが直接お話する予定です。
実際に顧客起点経営に成功している企業の事例も追加でご紹介します。
わたしたちコミューンも顧客起点経営に挑戦し、実践しているさなかです。
皆さんからのご質問もいただきながら、必ず何らかの気付き/発見のある場にしたいと思っておりますので、ぜひお気軽にご参加ください!
注意事項/ポイント
また、顧客起点経営(カスタマーレッドグロース)に取り組むにあたっていくつかポイントがあります。
顧客=ファンではない
顧客の力を活かす、顧客の力を借りるというと、「うちにはファンがいないからファンマーケティングは相性が悪くて…」という声をいただくことがありますが、顧客起点経営(カスタマーレッドグロース)の1アプローチ(内数)として、ファンマーケティングがあります。
日本ではファンマーケティングの考え方が先に普及してきているため、顧客起点で事業成長に取り組むこと=ファンマーケティングと考えられがちですが、これは誤りです。
もちろんファンマーケティング(ファンの力をマーケティングに活かすこと)が奏功すると非常に大きな事業貢献につながりますが、その効果や難易度には業種業態によって差があります。
一方で顧客起点経営は、いろんな温度感でいろんな思惑を持つ顧客全体をより広く捉えて、彼らのちからを活かす取り組みで、あらゆる業種、業態において適用されうるものです。
例えばコミューンのあるクライアント企業だと、ファンの食べ方は特殊すぎて一般向けマーケティングに活かせませんでしたが、一部のライト層の食べ方を参考に製品アイデアを構想し販売したところ大ヒットになりました。
また、あるテック企業だと、感情的なファンというわけではない技術(製品)に明るい方に報酬設計をセットでコミュニティ内でのQ&A対応を行っていただくことで、サポート工数が大幅に減った事例もあります。
その他にもポイントが…
上記の他にも、
・どこから始めるのかが大事
・一丁目一番地はメンタリティ
・滑らかなUXと正しいインセンティブ設計が顧客起点経営を制する
などの注意事項/ポイントがあります。
<再告知>
これらのポイントについても、10月24日(木) 13時〜13時50分に開催するウェビナーにてわたしが解説する予定です。
また、顧客起点経営(カスタマーレッドグロース)を実現している事例についても追加で紹介させていただきます。
繰り返しになりますが、わたしたちコミューンも顧客起点経営に挑戦し、実践しているさなかです。
皆さんからのご質問もいただきながら、必ず何らかの気付き/発見のある場にしたいと思っておりますので、ぜひお気軽にご参加ください!
コミューン株式会社 CEO
高田優哉
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