日本の未婚率を押し上げたのは、誰だ?
連載していた日経COMEMOがnoteに移行しました。第一弾記事です!
2015年時点での生涯未婚率は、統計開始以来過去最高の男23%、女14%に達していることは、いろんなニュースで報道されているのでご存じだと思います。
もはや4人に1人の男は生涯を未婚のまま終えます。
こういうニュースが出るたびに、「最近の若者は草食で困るよ」という声が、特に50代~60代のおじさんを中心にあがります。まるで、未婚率をあげているのは若者のせいだといわんばかりに。
そもそも、生涯未婚率とは50歳時点の平均未婚率を指します。若者の未婚ではなく、50歳の方達の未婚率なんです。
とはいえ、現在50代の人たちが急に未婚化になったわけではありません。きっかけがあります。それは、現在50代の人たちが20代だった頃、1980年代に遡ります。
80年代は、これからバブルに向かう時期で、日本全体が元気で活気のあった頃です。テレビドラマはトレンディドラマが流行し、原宿や渋谷が活況を呈し、丸井のセールには長蛇の列ができ、DCブランドブームと言われ、みんながたくさんの消費をしていた時代です。カフェバーができたのも、新宿や六本木のディスコが大盛況だったのもこの頃です。
どことなく、現在の中国に似ている気がしなくもありません。
そして、その活気を作った中心にいたのは、今50代の人たちです。今の20代の人たちからしたら、キラキラした時代だと思うかもしれません。
ところがそんなこともないのです。
国勢調査から、コーホート別の未婚率の推移をまとめてみました。1920年代生まれ、1940年代生まれ、1960年代生まれと、20年おきに生年ごとに比較をしました。
いつ生まれの人が未婚率を押しあげたのか?
一目瞭然です。
男女とも60年代生まれの人たちが、25歳以降すべての年代で未婚率を押し上げています。
「俺たちの若い頃は…」と威勢のいいことを言いたいおじさんたち。今の日本のソロ社会化の第一歩は、今50代のおじさんとおばさんたちだったんですよ。
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