犬の殺処分現場のドキュメンタリー『十二夜』に胸をえぐられた
週末、ふとテレビをつけたときに映った24時間テレビ。たまたまそのときに流れていたのは、台湾の保護犬のトリミングボランティアの様子。ナレーションで、台湾では2017年アジアではインドに次いで2番目に犬猫の殺処分が禁止されたと聞き、全く知らなかった事実にスマホで何の気なしに検索。
2015年の動物保護法改正法制定(2年後の殺処分全面廃止を定めたもの)を後押しした一つとして報道されていた、犬の殺処分現場のドキュメンタリー『十二夜』(youtubeで公開中)に行き着きました。
1時間半超のドキュメンタリーは、犬たちが収容施設にやってきてから殺処分の分水嶺である12日間を追った映像で成り立っています。名前と共に個性が紹介され、中には収容所で心許せる相手を見つけて寄り添い合う犬たちの様子も映し出され心温まるシーンもありますが、殆どが凄惨な現実の記録。蔓延する感染症に手を打つこともなく、罹患が明らかでも対処されず、殺処分を待たずに病死や衰弱死していく様子…そのほかにもひたすら流れる犬たちの置かれた苦しい状況に胸をえぐられます。
台湾では、映画公開から10年の間に法律で殺処分が禁止され、動物愛護の動きも以前よりも大きく広がっているようですが、法制化によりむしろ収容所が犬猫を引き取らなくなるような事態が起こるなど、実態として製作陣が望んだ状況に向かっているとは言えないとして、2020年には『十二夜』続編も公開。そちらはまだ視聴できてきませんが、1作目が収容所メインの内容であったのに対し、2作目では収容所の外、つまり街中や家庭におけるペットの扱い、中でも飼い主の責任と避妊手術の必要性についてのメッセージが強く打ち出された内容になっているようです。
犬や猫の殺処分、は日本にとってもジブンゴトの問題。殺処分数は年々減少傾向にあるものの、まだまだ改善の余地がある状況です。私は愛媛県出身ですが、悲しいことに同県は殺処分数が全国最多(環境省令和2年「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況)。
2年前から愛犬と一緒に暮らすようになり、また周りに動物愛護に熱心な友人がいることもあり、一層この問題が他人事とは思えなくなりました。とは言え自分に何ができるのか。様々検索した中で見つけた取り組みの中でも、殺処分ゼロのために実際に率先して行動をとっているピースワンコジャパンの活動を応援させていただいています。愛媛県がワースト1となる前には、広島が長く最多の殺処分数を記録していました。ですが、ピースワンコジャパンの活動が始まって以降は、殺処分ゼロを記録し続けています。たくさんの命が救い出され、ピースワンコの人々の手で大事にケアされたり、新しい家族のもとに送り出されています。
たまたまたどり着いた映像『十二夜』。日本の殺処分現場と全く同じではないかもしれませんが、それでも犬が一方的に命を奪われてしまうという現実は同じ。お勧めするにはあまりに内容が悲惨で心苦しい気持ちもしますが、この映像が多くの方々の意識に働きかけ行動を起こさせたことにはとても納得のいくものでした。