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今こそ考えたい「参加者を巻き込むオンラインイベント開催の大事なポイント」

「オンラインイベントの開催数は増え、集客が難しくなってきた。。」

最近そのような相談が増えてきております。
コロナ禍に入り、オンラインイベントの開催数は劇的に増えました。以前はオンラインイベントはイベント公開数全体の2%くらいしかなかったPeatixにおいて、一時は90%を超えるイベントがオンラインとなり、現在も1週間に約3,000ものオンラインイベントが公開されています。参加者もオンラインイベントに参加する回数が増え、「オンラインイベント慣れ」してきています。
オンラインイベントが出始めた頃、まだ参加者も慣れていない頃は、そこまで「質」が求められず、「開催されること」に重きがあったように思います。しかし、現在では数多くのオンラインイベントが開催され、参加者も「目が肥えて」きています。

最近では、世界最大規模の楽器の見本市や、酒蔵による日本酒のオンラインイベントなどジャンルも多岐に渡っています。


2021年を迎え、Clubhouseなどの音声メディアも大きな注目を集めていますが、オンラインイベントの需要が増えているこのタイミングで今一度、視聴型のオンラインイベントのポイントをまとめさせていただきました。

オンラインイベントはオフラインイベントの代替ではない

オンラインイベントを開催する際に気をつけなければならないポイント。それは「オンラインイベントはオフラインイベントの代替ではない」ということです。

これまでにリアルイベントを開催したきた主催者は「オフラインイベントでやっていた内容をオンラインで配信すれば良いのでは?」という考えを持つケースが多く見られます。
しかしオンラインとオフラインは持っている特徴が異なるので、それぞれの長所、短所を把握してオンラインイベントの内容を考えていかないと、参加者満足度が下がり、「失敗するイベント」になってしまう可能性が高まります。

では、オンラインとオフラインでは何が違うのでしょうか?

まず「熱量の伝わりやすさ」と「参加のハードルの高さ」の違いがあります。

「熱量の伝わりやすさ」
オフラインのイベントは会場に参加者と主催者が一同に会することもあり、主催者の思いなど熱量が参加者に伝わりやすい特徴があります。一方でオンラインイベントは、オフラインイベントほど主催者の熱量は届きませんが、より多くの人が参加しやすいというメリットがあります。

「参加のハードルの高さ」
オフラインイベントは参加者が会場に足を運ぶ必要がある分、移動時間含め予定を調整する必要があり参加のハードルは高くなります。オンラインイベントは、参加者がいる場所や状況を問わずワンクリックで参加可能となります。一方で気をつけなければならないのは「ワンクリックで出入り出来る」ことです。オンラインイベントは参加のハードルが低い分、離脱のハードルも低いのです。オフラインのイベントでは一度イベント会場に来ると、多少面白くなくてもすぐに帰ることはなかなかありません。しかしオンラインのイベントではつまらないと感じるとワンクリックで離脱出来てしまうのです。離脱することへの心理的ハードルも高くありません。

この「熱量の伝わりやすさ」と「参加のハードルの高さ」をしっかりと意識し、イベントの内容を考えることが、参加者にとって満足度の高いイベントになるか否かを左右するのです。オンラインイベントはオフラインイベントの代替であると考えていると、参加者満足度が下がり、離脱者が増える、リピートしてもらえないなどの大きな落とし穴に落ちてしまいます。

また、オンラインイベントを開催する場合、次の5つのポイントも考える必要があります。

1. 登壇者の出演場所(登壇者は同じ会場に集まるのか、オンライン上から参加するのか)
2. 参加形式(参加者は配信動画を視聴するだけなのか、相互交流できるのか)
3. 進行スタイル(どのような形でイベントを進行するか)
4. 質疑応答の有無(登壇者が参加者からの質問を受けるのか)
5. 懇親会の有無(オンラインでも懇親会の時間を設けるのか)

上記5つのポイントもイベント企画時からしっかりと考えることが大切です。特に2以降の4つに関しては「参加者の巻き込み方」に影響する大切なポイントになります。

参加者を巻き込むオンラインイベントとは

特に参加者の反応が分かりづらく、離脱のハードルが低いオンラインイベントでは如何に参加者をイベントに巻き込んでいくかが重要なポイントになります。そのために必要な工夫は2つ

1. 参加者のニーズを事前に把握する
2. 参加者を出演させる

オンラインイベントでは参加者の反応が分かりづらい分、「参加者が何を求めているのか」を事前に調べておくことが大切です。イベント申込時にアンケート機能などを活用し「イベントを通じて学びたいこと」「登壇者に聞きたいこと」を記入してもらい、登壇者やファシリテーターに情報共有することをお勧めします。参加者が何を求めて参加しているのかを知ることで、参加者のニーズに合った話ができるので満足度が高まり、より集中して話を聞いてもらえるのです。

また、オフラインでのトークイベントでは最後の10-15分で質疑応答の時間が設けられ、質問を最後にしてもらうパターンが通例となっていました。しかしオンラインイベントでは参加者は最後まで待ってくれません。オンラインのイベントでは配信サービスにあるコメント機能を活用しリアルタイムで参加者に質問やコメントを投稿してもらいコメントを常時ピックアップすることで、参加者に「出演している」感覚を持ってもらうことがポイントになります。また質疑応答用のサービスを使う方法もあります。Slidoなど、質疑応答向けの専用サービスを使うことで、参加者の声を集めたり、その場で投票してもらうこともできます。Googleスプレッドシートに質疑応答用のページを作成して質問を記入してもらう方法もあります。なお、専用ツールを使って質問を集める場合は、Slido や Google スプレッドシートのアクセス方法をしっかりと明示し、質問を記入するようにイベント中に何度も声を掛けることが大切です。

オンラインイベントで、登壇者と参加者が掛け合う様子はラジオ番組に似ています。ラジオDJのように事前に意見を集めたり、その場で投稿を促したりして、一緒にイベントを盛り上げていくことで参加者満足度の高いイベントにしましょう。

オンラインイベントの場合、ディスプレイの向こう側で、参加者は食事をしたり、テレビを観たり、子供と遊んだりしながら、イベントに「ながら参加」しているケースも少なくはありません。 だからこそ、参加者をしっかりと巻き込むことが大切なのです。

参加者に能動的にアクションしてもらうための工夫

オンラインイベントでは参加者を如何に巻き込むかがポイントであることはお伝えしましたが、「そうは言っても、なかなか参加者を巻き込めない」「参加者からのコメントが全然入らない」といった悩みも多く聞きます。ポイントになるのは、参加者を傍観者にせずに能動的に 活動してもらうことです。

参加者がイベント中に能動的にコメントできるようにするには、イベントの前半で空気を生み出すことが大切です。そのために例えば、「今日はどこから視聴していますか?」「登壇者が出演したら 8888 など拍手コメントでお迎えください」といったハードルの低い質問・お願いを通じて「一度コメントしてもらう」ことで、その後から能動的にコメントしやすくなるのです。また参加者が積極的にコメントすることで、登壇者と参加者の距離を縮めイベントの熱量も上がります。
参加者の能動的な活動を誘発する進行を心掛け、参加者がイベントを自分ごととして捉えられるようにしましょう。

また、参加者に自発的に活動してもらう方法は他にもあります。例えば、参加者の中にグラフィックレコーディング(グラレコ)ができる人がいるなら、イベント内容のグラレコに描いてもらうと、参加者も一緒にイベントをつくっているように感じられて一体感が高まります。まさに「イベントが自分ごとに」なるのです。

そして、イベントの最後に、登壇者と参加者の集合写真を撮るのも良いでしょう。Zoomなどウェブ会議サービスを活用している場合、参加者も画面上に見えるようになるので、全員がポーズを取って画面のスクリーンショットを撮るとオンラ インでも集合写真が記録できます。オンラインイベントであっても集合写真を取ることで、そのイベント主催者のコミュニティへの帰属意識が高まり次回以降のイベントへの参加意欲も高まります。また、集合写真を参加者にシェアすることで、参加者自身もイベントの空気感が伝わる集合写真を自身のソーシャルメディアに配信し、より多くの人に活動が広がっていくのです。

このように参加者自身が自分もイベント担い手であり、コミュニティの一員だと感じてもらうことが出来れば、活動の熱量も上がり、イベント活動も成功するのです。逆に参加者をしっかりと巻き込めていない場合、イベント最中の離脱も増え、リピーターも増えずイベント活動の継続が難しくなります。

オンラインイベントはオフラインイベントの代替ではないということを意識し、しっかりと参加者を巻き込んだイベントが2021年も多く開催されることを楽しみにしております。

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