デフレ逆戻りのリスクがある今回の消費増税
前回の消費税率3%引き上げは、それだけで8兆円以上の負担増になり、家計にも相当大きな負担がのしかかりました。今回は消費増税の負担額だけでは税収が5.6 兆円増えることになりますが、軽減税率や子育て世帯の還付もあるため、家計全体では2.5兆円程度の負担にとどまります。
世帯主の年齢階層別の負担額を算出すると、世帯主の年齢が40代~60代の世帯では4万円/年を上回るも、世帯主が30代以下か70代以上になるとその額が4万円/年を下回ります。世帯の年収階層別では、年収が1500万円以上の世帯では負担額が9万円/年を上回るも、年収200万円未満ではその額が2万円/年程度となります。
内閣府のマクロ計量モデルの乗数をもとに経済成長率への影響を試算すれば、引き上げの一年前は駆け込み需要により+0.2%ポイント経済成長率を押し上げますが、引き上げ後の1年間については▲0.3%ポイント、2年目は▲0.4%ポイント程度度経済成長率を押し下げると試算されます。
ESPフォーキャスト調査に基づけば、フォーキャスターのコンセンサス通りに経済成長した場合は、2019年10月から消費税率を引き上げることになると再度デフレギャップが生じてしまいます。2014年4月に消費税率を引き上げた際も、消費税率引き上げ直後に安倍政権発足以前の水準までデフレギャップが逆戻りしてしまった経緯があります。
このため、追加の家計負担軽減策は不可決になるでしょう。
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