コラボするなら、気の合う人と。 ~ 原点は、裏原宿にあるんだから。
日経のnoteでの企画が「皆さんが考える「夢の企業コラボ」は何ですか?」ということで、何か書いて欲しいというお鉢が僕に回ってきた。つれづれなるままに書き始めてみたい。
そもそも、企業間がコラボすること自体は、別に面白いとも何とも思わない。その2者から、生まれてくるものが、イケてるかどうか。それが問題だと思う。組むために組むのはナンセンス。
じゃあ、いいコラボになるためのミソは何か?
それは、その2者が「気が合ってるか」どうかだと思う。もしくは、「思いが同じ」「志が合ってる」「ノリがあってる」かどうか。それがアウトプットに完全に反映されてると思う。
僕も仕事柄、たくさんの方々とコラボする。社内の大好きなメンバーはもちろん、社外の優秀な友達もたくさん入ってもらってチームを組む。仕事を受注するとしても、それはある意味コラボ。組む時に決めていることがある。
それは、「お茶をして楽しい」人と組むということだ。
なぜなら、お茶をして楽しいということは、ノリと志が近いということだから。(そもそも「お茶をする」その時間を共有すること自体、コラボなんじゃないか。)
僕は電通Bチームというチームを組んでいるが、このチームはまさにそう。全員、本業(=A面)以外に、個人的側面(=B面:私的活動やすごい趣味、前職、面白い大学の専攻など)を持っているメンバーが集まり、その知恵をネットーワクし、世の中に今までと違うオルタナティブな提案(=planB)のみを提唱している特殊クリエーティブ部隊。
一見趣味人が超多数集まっているように誤解されるが、それぞれの得意ジャンルを組み合わせ、社会を自分たちがいいと思う、次の良き方向へデザインするために集まっている。志を同じうする仲間だ。
その前は、新規領域部署連携コンソーシアムというものを組んでいたことがある。そのころ、僕らは広告クリエーティブの新規事業部みたいなところにいたから、他の各社の新規事業部の方々に声をかけて、半年に1回集まっているうちに、評判を呼び、60社が集まるようになっていた。完全に裏ネットワーク。
その時にこのネットワークに招待するための条件が3つあった。「お茶をして楽しく」「野心があって(=新しいことをしよう!と燃えている人)」「心がキレイ(=自分のことだけ考えてない)」な人のみ招待するということ。
そういう人たちが集まると、空気がいつもいい。空気は見えるものだ。新しく入った人もすぐ馴染む。お互いに世の中にないような情報やスキルを出しあったりできる。
いろんなものがそこから生まれたが、たとえばこれもそうだ。
森永製菓 x Jaxa x 我々 の3社の新規事業部コラボで作った「おかしな自由研究」。お菓子を食べながら宇宙がめちゃめちゃくちゃ学べるキット。
大人はお菓子を食べながらブレストとかする。お茶飲みながら仕事する。それはその方が効率がいいと知っているから。なのに子供は、教室でビシッとしながら勉強させられる。矛盾してない?21世紀はクリエーティブの時代。だから、おかし食べながら学ぶ、革命をやろう!とできたのがこれ。
(内容についてはここでは割愛しますが、検索すると色々残ってるはず)
これができるプロセスは、まるで気の合う仲間たちとの学園祭の準備のようで、ワクワクした。
電通Bチームの話に戻るが、その中で、ストリートカルチャーのリサーチを担当してくれている、飯田昭雄さんという方がいる。昔、BAPE ギャラリーのキュレーターもされていて、東京のグラフィティアーティストの多数が友達、みたいな人だ。僕らBチーム情報交換会議で、昔その飯田さんが、教えてくれたのが、「コラボの始まりは裏原宿」ということだった。コラボだったり、ダブルネームだったりする。UndercoverやWtaps、APEなどが、友達同士でコラボして、両方のブランドのタグを1つの服につける。
調べてみると、藤原ヒロシさんの記事でこういうのも出てきた。同じことを話されている。
つまり、コラボは日本の裏原宿で起こった。正確には発祥じゃないとしても、超活性化した。なので、日本のお家芸と言える。
そして、そのコツをルーツの裏原宿から紐解いても、気の合う仲間と一緒に考えて作る。ということだ。
だから。
これからの夢の企業コラボについてかけと言われたら、世界に受けたり、歴史に残ったり、文化を作ったり、そういうコラボレーションを、ぜひ「気の合う人と作ろうぜ」ということだ。
そういうコラボを見たいし、僕もこれからもやり続けますよ。一生。