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「結婚したらしあわせになれる」という自己呪い

あの台風10号の時に、大分県に出張しまして、そこで収録をした動画の前編が公開されました。婚活界の瞬間接着剤といわれる荒木直美さんとの対談動画です。

いつも言ってるような事をコンパクトにまとめて(言葉を選ばずに)言ってます。ちょっと視点を変えてみただけでも世界は変わりますよ、と。

ぜひご覧ください。

このように、ありがたいことに地方の自治体にお呼ばれしていろいろとお話もさせていただくのてすが、呼んでくれるところは私のいろいろな記事や書籍を読んた上で、ちゃんと理解して上で呼んでくれるので本当に話がはやい。

「少子化なんてなくて、少母化なんだよ」「子どもを増やすには第一子促進が重要だし、それには結婚が増えないとダメだよ」ということをあの石破首相のように上っ面だけ理解して、人の造語を無断で使うようなこともなく、「結婚できない若者の本質的な問題は環境だよ」ということも理解してくれている。

環境とは経済環境と社会環境なんだけれども、経済はともかく社会環境とは「かつてあったお膳立てが失われたこと」です。ぶっちゃけ自由恋愛で結婚できるなんてのは全体の3割しかいなので。

但し、このお膳立てとは直接的な結婚支援のお膳立てではないのです。そういう風に安易に考える自治体は、マッチングアプリ業種の丸投げしてなんかやった感で満足するんだが、そんなのただの公金の無駄使いにしかならない(この話は動画の後編にて)。

お膳立てというのは、ざっくりいえば、本人が行動しさえすれば、個人の能力の問題関係なく気が付いたら「なんかやっていた」と本人が思える環境を作ること。「なんかやった」というひとつの達成感があれば次につながるし。

で、そのためには恋愛弱者に最初から恋愛のフィールドに立たしちゃダメなんすよ。泳げない人をいきなり大河に突き落とすようなもので、溺れるだけ。

恋愛のハウツーとか、コミュ力あげる方法とか、よくネットで金儲け狙いの変なのにも騙されちゃダメ。そんな小手先のテクニックなぞ何の役にも立たない。

恋愛とは違うフィールドで、でも、人とのつながりがある環境で、何かをやったという「本人の物語」を作ってあげること。これが先決。

結婚相談所の仲人さんは、実感してると思うけど、藁をもつかむ気持ちで結婚相談所に来る婚活者が揃いも揃って不幸そうでしょ。
結婚すればしあわせになれると思ってるから。
逆なんだよ、まず先に自分をしあわせにしてから来いという話。

最悪、本人がしあわせなら別に結婚なんかしなくてもいい。結婚しなくても十分しあわせなんだ、と気づくのであればそれはそれでいい。
けど、図らずも本人がしあわせになれば、不思議と恋愛や結婚をしていくものです。結果として(但し、年齢制限有)。
だって、人間は本人がしあわせになるとそれが充満しすぎて、誰かにおすそ分けしたくなっちゃうものだから。自然と分け与えずにはいられなくなるから。
そういう人は他人から呼ばれるようになる。だって呼べば楽しいから。
そうこうしてるうちに、誰かこの人にしあわせをあげたいと思う気持ちがたまたま共鳴する相手がいれば勝手に恋愛してる。仕事の相手だとすれば勝手に仕事はうまく回る。仕事の仲間だったものがいつか人生の伴侶になる場合もある。

何か起きるかわからないが、ひとつだけ言えるのは、まず自分がしあわせる(しあわせは名詞ではなく動詞だから)ことが先、行動しないなら何も始まらない。

「しあわせる」ってどういうこと?に関してはこの本にがっつり書いたのでぜひ。

地方によってその土地柄もあるし、その土地で育った環境も違うから一概に統一のお膳立てなんかないけど、「婚活支援とかの前に、まず、この行動のお膳立て」が必要であることをわかってるところとわかってないところじゃ、全然結果が違うと思うわけです。

そして、このお膳立てがよければ、地方にいるたくさんの結婚相談所的な仲人さんも助かると思う。

とはいえ、なぜか、俺を呼んでくれる自治体は西日本が多いんだよなあ。てか、東北・北陸は一度も声かからない。別にいいけど。


ちなみに、岡山県は、知事が意欲的に少子化対策としての結婚支援をやっているところで評価できる。どこぞの元市長のように「人口の奪い合い」でドヤ顔をしているのではなく、細かいけれどちゃんとかゆいところに手の届くことを考えている。

結婚支援として同窓会を補助するというアイデアも岡山県である。ネットでは叩かれたりもしたが、個人的にこういう「地元に残った若者に地元がしてあげられるお膳立て」こそが必要なんですよ。理由は以下の記事に書いた。


しあわせなら、結婚してもしなくてもどっちでもいい。結婚しないと中年になってから寂しくなるぞとか脅してくる奴など無視すればいい。しあわせてれば(動詞)そんなことにならないから。但し、お金の話はまた別。

「結婚したらしあわせになれるはず」という呪いにかかっている人は、まず結婚とか恋愛の前に、まずここの壁を越えろという視点を提供してあげないと、結局いつまでも「結婚したら…」という餓鬼道の一生を送ることになるのですよ。

その飢餓感を刺激して悪い事をするのが、マチアプに蔓延るロマンス詐欺だから。気を付けましょう。

呪うのではなく、まず自分を祝おう。

長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。