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OMOは絶対、オムニテックが小売の未来を担う

こんにちは。文化をつなぐ小売の未来を勝手に背負い、クリエイティブな才能を持つ人好きが高じてKATALOKoooというオンラインショッププラットフォームをやっております翠川です。

最近は、小売業界どっぷり&現場のオペレーション重視派ながらオンラインの事業をしていていることを生かして、企業のブランドディレクションやブランドのECディレクションを請け負うことがとても増えました。どっちも詳しい、反復横跳びがオリジナリティの私です。この種はなかなか交わらないようで、ここを行ったり来たりしてる人は他で未だにお会いしたことありません(寂)。

この辺りの分野に跨って仕事している中で、最近急激に高まったと感じるのがOMO(Online Merges Offline)の波です。

猫も杓子もOMO

OMOの施策といえば、ユニクロやGUで2時間後に店舗で受け取れるオーダー&ピックが10月にスタート。スターバックスのモバイルオーダーは、コロナ禍では並ばずに買えるということで、急に普及して使ったことある人もかなりいるのではないでしょうか。

アダストリアのOMO店舗では、デジタルサイネージ・ミラー型サイネージを使って色々な提案を受けられる。データを反映するシステムで、これまで接客する人の力量に全振りされていたことを置き換え、ボトムアップさせた形と言えます。

事例を見ていくと、コロナ禍で流行った「オンライン接客」は、どちらかというと、Offline Merges Onlineで、逆ですね。

話を戻してOMOとは、

OMOは「Online Merges with Offline」の略称で、日本語に直訳すると「オンラインとオフラインを併合する」という意味になります。もう少し具体的にいうと「ネット上とネット以外の店舗などの垣根を超えたマーケティング概念」と言われています。 

ec being - OMOとは?オムニチャネルの次の新しいマーケティング概念であるOMOを徹底解説!
https://www.ecbeing.net/contents/detail/181

ということらしいです。O2O、オムニチャネル、OMO、DX化。それぞれの違いを明確に説明するのは、マーケターでないと難しいのかもしれないですが、ん・・・?マーケティングの概念?もっと広まってない?と違和感を覚え、この投稿を書き始めました。

消費者がとっくにオムニチャネルが当たり前になっている

私は、元々新卒でスープ屋の店長、転職して家具屋の店長を経て販促担当(オンライン・SNS含む)から独立起業後もIT事業と売り場仕事半々という超現場派ですが、OMOの概念がかなりしっくり来すぎています。

消費者がスマホを通してその概念にとっくに追いついてきている感じがします。いや、追い越してるかもしれない…。多くの人にとって、スマホが、インターネットが、SNSが、当たり前になったところにコロナがやってきた。最初は、ECでのお買い物する人が増えるところから始まり、売り場に長時間滞在したくないから、オンラインがオフラインに自然と寄り添うことを加速させたわけです。こういった事態が起きると、2年でここまで来てしまう。マルチチャネル/クロスチャネルからオムニチャネルが当たり前になりました。

FUJIFILM 未来をシェアするWebマガジン Future CLIPより

OMO企画で立ち上がった売り場でオフライン派が感じる切なさ

そんな消費者のリテラシーが急成長する中、当然OMOをテーマにした企画/売り場が色々立ち上がりはじめました。OMO企画の売り場は新しい取り組みとしてて走っており、システムなどに注力しているのが強く感じられますが、言い換えると、ものの売り場としての今まで培ってきたコンテクストが引き継がれていないことが多く、課題があると感じました。

例えば、

  • MDのコンテクストの表現

  • ブランド/プロダクトの繋がりあるディスプレイ

  • 手に取らせる什器のあり方

  • 売り場のホスピタリティ

  • 立地と既存顧客含めた集客

というのを私は感じました。新しい取り組みをするのに古いものは全て刷新するだけなのはとても寂しい。これまで培ってきた長所は共存できた方が消費者を喜ばせられる確率が上がるはずなので、今後はシステムと共存しながら人的な限界をフォローする役割を担ってほしいと、小売を愛する者として強く思っています。

オフラインには数点でも、オンラインにはフルラインナップを求める

また、OMO企画を百貨店などが主体で行う場合、消化仕入れ型だとシステムとしてもオフラインで完結させようという同線になるが、前述の通り消費者は当たり前にオムニチャネルを求めるので、オンライン上にも売り場を作っておく必要が出てくる。ただ、消費者が求めるのは、「売り場オフライン)には数点の展示でも、オンラインにはフルラインナップ」になってきています。情報として「商品を全部見る」ことでそのブランドを把握する消費者は確実に増えていると思う。弊サービスで展開されるオンラインショップでは、「SEE ALL ITEMS」のアクセスがトップの次にダントツで多い。数年前から変わらず、よりそのムードは高まっていると感じます。

このムードを真に受けると、百貨店のOMO企画においては、オフラインでショールーミングさせ、オンラインにはフルラインナップを見せないと消費者の希望に追いつけない。全てを委託で預かりオンラインで展開する?それでは、効率が悪すぎる…???とても難題です。となると、今後はb8taのようなビジネスモデルに集約していくのか…?

立地に対して家賃を支払えるブランドだけが展開していく、またプロダクトフォーカスで売り場が作られていくモデルばかりになっていくというのは、売り場の多様化とはかけ離れていきます。せっかくシステム化に予算を書けるのであれば、委託販売手数料の支払いなどをシステムで自動化する開発などするのはどうでしょうか。

現場には手をつけられない課題が山積み

また、最初にOMO事例として紹介したような、ビックデータありきの開発はスモールビジネス界隈で個別に開発するのは無理があります。それより何より、顧客データと在庫管理の一元化の課題を解決する方が先決です。

個人情報の規約変更というのは、既存の事業者にとっては重い方向転換で、何から手をつければ良いのか判断できない間に時間ばかり経ってしまいます。そもそも、リアルのお買い物は全てデータとれるわけじゃないし…この部分、独自開発せず必要な事業者が使えるリソースとして提供してもらえると、スモールビジネスとしては助かるんですけど!デジタル庁さん!(一緒に開発したいレベル)こういうオムニチャネルを推進していくシステムのことをオムニテックと呼び、より一層期待して研究していきたいと思います。

現場もこの数年痛いほど体験してきているはずです。気づいてはいるんです、「ネット(この場合、SNSも含む)で全部見てきました!」というお客様の予習に助けられてると。

ユニクロのオーダー&ストックのように、在庫と物流を、店舗の多さでカバーできる店舗ばかりではないですが、この部分は、

送料×納期までの時間×在庫場所

の指数さえお客様の希望と合えば何か企画はできで、こういった施策ばかりが伸びそうではあります。

中小規模のブランド・作家さんに至っては、消費者のリテラシー成長でオンラインがマージしてくる前提のため、完全にやることが増えてしまいました。任意ではなく、もはや必須です。手前味噌ですが、私たちは、運営のサポートなどが充実しいるプラットフォームなので、車内に専任いれれないよ!とか、わかっちゃいるけどできない、などの場合相談ください。

オムニテックを使ったオフラインとオンラインの融合に期待

最後に、OMOのあとに何が続くのかというと、「リアル(オフライン)=豊かな体験」「オンライン=簡便さ・情報」と分かれるのではなく、オムニテックを使って融合していくのではないでしょうか。期待を込めて予測しておきたいと思います。

スマホというテックが浸透したからこそもたらしてくれるこの先の未来を、乗り遅れずに作っていき、消費者に届くべき商材が、もっと多くの人に届くきっかけに結びつけていただきたいと思います。それでは、今日はこの辺で。

サポートいただけたいた方は仲間と思って日々精進しようと思います。とりあえず、ビールを買って乾杯させていただきます。