それでも自動運転化の波は止まらない。
規制緩和で自動運転の実用化を推進してきた米国において、悲しい事故が起きた。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO28345600Q8A320C1MM0000/?n_cid=TPRN0001
日本においても、世界中から注目の集まる2020年の東京オリンピック・パラリンピックに焦点をあて、自動運転カーやバスの公道実証実験を進めている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27579000R00C18A3X12000/
自動車メーカーにおいても、次の技術開発はEVおよび自動運転技術に力点をおいている。先行する独・アウディは次期A8において初めてAIが運転の主体となる「レベル3」の実用化を発表している。国内メーカーもレベル2は市場投入済みであり、次のレベルへと引き上げるべく技術開発にしのぎを削っている。
そのような中で起きてしまった、初の死亡事故。自動運転カーが事故を起こした場合に「誰が責任を負うのか?」という議論に決着がつかないうちに事は起こってしまった。本件については今後の捜査により状況が明らかになっていくだろう。
国内の交通事故による死亡者数は、1970年に過去最悪の1万6765人を記録して以降、減少が続いている。その理由にはシートベルトの着用義務化と取締強化、道路の安全点検(スクールゾーン等の施策)、そしてなにより車の安全装備の充実が挙げられている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25301880U8A100C1CR0000/
確率論で言えば、ヒューマンエラーよりも機械のエラーのほうが少ない。最も安全な乗り物である飛行機では近年自動化が進み、例えば進路を変えるときは人間が数値を入力した後、コンピューターがその数値が安全かを検証して初めて機体が操作される(その操作もコンピューターが行う)。これは車であっても自動ブレーキ等の技術によりヒューマンエラーを未然に防ぐことで、さらに安全な方向に進化していく。
また、社会の変化も自動運転化を後押しするだろう。日本以外の国ではUBERを始めとしたライドシェアが一般的になっており、すでに都市部では車を所有しない人が増えている。どこにいてもアプリひとつで10分以内に車がやってくるのであれば、確かに車を所有することの意味合いは薄れる。この方向が進むほどにドライバーの確保がネックとなるが、自動運転カーがくまなく街中をカバーしていればその問題は解決する。販売低下を見越した自動車メーカー自らがライドシェア事業に乗り出す例も増えてきており、社会の要請に応える形でさらにライドシェアカーは増えていくであろう。
行政としても既存のインフラである道路を活用した交通網として、ライドシェアは重要な位置づけとなろう。国内においては少子高齢化に伴う過疎地でのモビリティとして、都市部においても24時間くまなく動き続ける移動手段として活用が期待されている。
以上のような状況を踏まえると、大きな流れとしての自動運転の普及は止まることはなく、より社会に適合する道を模索しながら進化していくものと思われる。
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