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女性だからの登用をポジティブに受け止め、その先にある未来に向かうこと

『#女性に活躍してほしい理由は?』この問が上がった時に、私は違和感を覚えた。いやいや「#女性だけ」ではなく、男性にもシニアにも子供にも活躍してほしいと思っているよ、と。

しかし、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の元森喜朗会長の発言で明るみになったように、今日この時点で日本は男女平等な国ではない。

私自身、子育てをしながら気づくことも多い一年だったので、当事者として、2回にわけてこのテーマに向き合ってみようとう。

まず前半のストーリーで伝えたいこと、それは『女性だから登用するをポジティブに受け入れ、次の世代により多くの機会を届けていこう』ということだ。

社会参画という場から去っていく女性たち

私は現在、2つの組織で理事という役割を担っている。一つは地域課題を良質な官民連携で解決しようとするGR協会。もう一つは、ふるさと富山のまちづくり団体「ジソウラボ」だ。どちらも素晴らしいメンバーがいて、私自身、仲間として入れていただいていることを幸運に思っている。しかし、これら2つのチームメンバーは6〜7人いるが、私以外は全員男性である。


私自身が身を置く、スタートアップや、地域づくりの場では『女性リーダーがいない』という言葉を本当にたくさん聞く。

FacebookCOOのシェリル・サンドバーグの書籍『Lean in』には、この現状についての一つの解が書かれている。

『結婚や出産をしても社会の中で働きたいと考える女性は多いものの、現実にはそうなっていません。特に経済。政治の意思決定への参加度合いは国際的に見て極めて低い状態が続いています。〜中略〜学業では男女平等に担ってきている今も、「女性は家庭」という考え方を支持する意見は、女性を含め四割に上っている(内閣府調査)』

旦那の転勤や、出産を機に職場を去る女性は多い(多すぎる...)。

その結果、企業や地域づくりの場で『女性がいなくなる』という景色はまさにこのことなのかと。私自身、身近な課題として向き合っている最中でもある。

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広報パフォーマンスとしての登用

ジェンダー問題への関心の高まりから、前述の東京五輪・パラリンピック大会組織委員会では、橋本聖子前五輪担当相が後任になり、大会組織委員会の女性理事の比率を40%にアップした。組織としての今回の対応は明らかに『女性だからの登用』だと、私は思う。

世の中の関心に合わせ、広報的にも“映える”形で、女性を前に出す。このようなパフォーマンス的なアクションは、『実力が伴っていないのに』という声や、性差別を改善するために女性を引き上げることで女尊男卑なのではないかと嫌悪感や違和感を感じる人もいると思う。そんな声がある中で、私は『女性だから登用される現状』は、積極的に受け入れるべきだと考えている。

「女性だからの登用」をポジティブに受け入れる

大学時代に人種差別の歴史について学んでいた私は、アファーマティブアクション(Affirmative Action)という政策とその後の変化について触れたことがあった。

アファーマティブアクションはポジティブアクション(Positive Action)ともいい、性別や人種などにおいて、社会的に差別されている人たちを救済するための措置だ。例えば、米国の大学では人種格差を是正するために、白人や、黒人、アジア人の差別・格差が大きかった時代、大学の入学試験などにアジア人枠を作って入学しやすくすることなどを行っていた。

結果として、すぐに効果が出る政策ではないが、時間をかけて人種間の学歴格差や、キャリアの格差が徐々に埋まっていき、結果として格差是正に貢献していくというものだ(国連も実施するアファーマティブ・アクションでは、現状が是正された場合は、このような施策を撤廃することも明記されている)

どの時代も、人種差別や、性差別を改善するためにアファーマティブ・アクションが実行されてきた。そして世の中の「不均衡を是正する」ためには、このような強硬手段をとるしかないということを私達は歴史から学んでる

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広報パフォーマンスではなく、抜本的な制度変革

私自身、『女性が一人くらい、いなくてはいけない』という言葉で機会をもらったことは1度ではない。

そして、広報的に”女性”を前に出すパフォーマンスを感じることや、その批判の対象にあったこともある。しかし、歴史をみるとどの国でも社会の不均等をなくすためにアファーマティブ・アクションが取られてきたことを考えると、私自身は『女性だからの登用』は広報パフォーマンスではなく根本改善を目指す長期的な政策だと信じている。

米国初の女性の副大統領ハリス上院議員の言葉「女性副大統領、初めてだが最後でない」という言葉が世界中から称賛された。

民主党の副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員は7日夜(日本時間8日午前)、デラウェア州ウィルミントンで演説し「障壁を打ち破った。私は女性として初めての副大統領だが、最後ではないだろう」と述べた
(日経新聞より)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65975430Y0A101C2I00000/

彼女のスピーチを聞き、励まされた女性も少なくないと思う。スタートアップ界隈でも、地域づくり界隈でも、まだまだ働き続ける女性は多くない。

そんな中で、少しでも前に出る機会や、意思決定に関われる機会があるのではあれば、たとえ『女性メンバーが足りないから』という理由で声がかかったとしても、その機会をポジティブに受け入れること。

そして自身が成長して、より多くの機会を少し先の未来に届けていくことが自身の役目かなと考える。そんなバトンが増えていくことで、女性の活躍できる社会に1cmでも1mmでも近づいていく。

小さな力だが0ではないと信じて、行動していきたいと思う

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