なぜ僕がFIREを目指すようになったのか
1.会社を辞めた日のこと
「この会社を卒業しようと思います」
2021年6月、僕は朝一の上司とのミーティングで会社を辞める意志を告げました。金曜日に辞めようと思い立ってから、土・日に家族の同意を得て、月曜日を迎えるというなんともスピーディーな決定でした。
このとき僕の年齢は44歳。総資産1億円を達成して、目標としていたFIREを実現。企業からの卒業だけにとどまらず、会社員からも卒業し、「好きで得意なことで生きていく」という方向に人生の舵を切ったのです。
最終出社日の勤務を終えて空を見上げたとき、「空ってこんなに青かったんだ……」と感じたことを思い出します。
2.FIREとは
FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの頭文字をとった造語で、直訳すると「経済的に自立し、早期退職する」という意味。次の記事にもあるように、これは「若いうちから経済的安定を獲得し、早期退職をすることで、仕事ばかりの疲れた人生から脱却しよう」という人生設計のことで、2014年ごろからアメリカでブームになり、最近では日本でも20代や30代の若者を中心に急速に広まってきた考え方のことです。
一般的に言われているFIREの実現方法は、「年間支出の25倍の資産があれば、年利4%の運用益を継続的に得ることで生活していくことができる」という考え方です。ザックリ言うと、1年間の資産運用で得られる利益だけで、その1年間暮らしていけるということです。
たとえば年間支出が400万円の人だと、次のようになります。
3.FIREの概念を知ったときの衝撃
僕はこのFIREの概念をはじめて知ったとき、「ああ、そうか!ずっと定年で会社から解放されると思ってたけど、60歳まで我慢に我慢を重ねて働き続けないといけないわけじゃないんだ!」と、目から鱗が落ち、雷に打たれたかのような衝撃を受けました。
日本で働くサラリーマンは、60歳まで頑張れば定年という認識をずっと刷りこまれてきています。毎年60歳を迎える方々を定年退職者として送り出しながら、「自分もあと20数年、30数年働けば、数千万円の退職金をもらって、あの人みたいに悠々自適な生活ができる……」、そんなことを思っていた人も多いのではないでしょうか。
それはもちろん、僕自身も例外ではありません。FIREの概念を知るまでは、「60歳まであと何年……」と指折り数えるような意識でいたのです。この常識から抜け出せたとき、はじめて「40代でリタイヤをするためには、どのような計画を立てればいいのか」ということに具体的に着手できるようになったのです。
4.僕のFIREに対する考え方
それからというもの、僕はFIREに関する記事や書籍を読みあさりました。FIREのコンセプトに魅せられた僕は、
という気持ちではちきれんばかりでした。
ただ、僕はFIREのコンセプトには惹かれる一方で、「主に資産運用から得られる運用益をもとに、生活支出を最小化して生きていく」という手法にはあまり魅力を感じませんでした。せっかく1億円も持っているのに、何もしないでただ生きていくためだけに、それに手を付けることなく質素な生活をしていかなければいけないなんて、あまりにも本末転倒だと感じたからです。
ですから、僕が思い描いているFIREのうちREで表現される部分は、一般的に認識されているアーリーリタイヤではなく、リスタート(REstart)もしくは リボーン(REborn)。すなわち「人生を再スタートさせよう、生まれ変わろう」というふうに捉えています。
こうして「何のストレスもなく、ゆるく自分の好きなときに好きなことをして楽しんで、それでいてその活動がお金を産み出すような、『遊びで生きる』といった自由な生き方をしよう」という考え方で生きることにし、会社員を卒業することにしたのでした。
・・・次回につづく
5.参考
(1)FIREするための考え方(ビフォーFIRE)の本
夫婦で子育てをしながらFIREをする本は今までなかったため、「ないなら自分で書こう!」と思い、自身の体験を綴った電子書籍を出しました。Kindle Unlimited対象にもなっていますので、会員の方は無料でお読みいただけます。ぜひお手に取ってみてください!
(2)FIREした人は本当に幸せなのか(アフターFIRE)の本
FIREはしたいけど、いざ会社を辞めることを考えると不安が先行する……。そういう人は多いと思います。その不安を取り除く特効薬は、実際にFIREした人がどのように感じているのかを知ること。そこで僕がFIRE後によく聞かれた質問をまとめ、回答したものをまとめました。こちらもKindle Unlimited対象ですので、ぜひお手に取ってみてください!