日本と海外での富裕層の定義の違いって?
億り人という言葉をよく聞くようになりました。日本の街中でもそのワードを話している方もいるので驚かされています。
日本は世界的にも富裕層の数が多い国
さて、日本は世界的にも富裕層の数が多い国です。英国の投資コンサルティング会社ヘンリー・アンド・パートナーズの調べによると、100万米ドル(約1億5000万円)以上の投資可能資産を持つ富裕層が最も多い都市として、1位に米国ニューヨーク(NY)市、2位に米国ベイエリア、3位に日本の東京、4位にシンガポール、5位に英国のロンドンが挙げられます。
https://www.henleyglobal.com/publications/wealthiest-cities-2024
この調査で、億万長者の増加率(2013年から2023年)を見ると、アメリカのベイエリア82%増、シンガポール64%増に対して、東京は5%減、ロンドン
は10%減となっています。イギリスでは富裕層に対する課税が強化されそうという流れもあり、中国に次いで富裕層が流出しているようです。
東京の減少は円安の影響で、米ドル建ての調査だから減少しているのではないかと推測されます。国内外の別の調査を見ると、ローカル通貨建てでは日本の富裕層は増えているからです。
各レイヤーで日本の富裕層の数は増え続けている
野村総合研究所の調べ(2021年)によると、「純金融資産保有額(※2)」が、5億円以上の「超富裕層」が9万世帯、1億円以上5億円未満の「富裕層」が139.5万世帯、5000万円以上1億円未満の「準富裕層」が325.4万世帯、3000万円以上5000万円未満の「アッパーマス層」が726.3万世帯、3000万円未満の「マス層」が4213.2万世帯と、ピラミッドのような形になっています。富裕層の数はリーマンショックなどの経済危機時を除いては幅広いレイヤーで増加傾向です。
世界の富裕層の定義はUSドル建てが一般的
富裕層の定義ですが、世界では一般的に金融資産が100万米ドル(約1億5000万円)以上を指します。日本で億り人と言うと、株式投資や暗号資産取引(仮想通貨取引)などで1億以上の資産を築いた投資家のことを指すことが多いようですが、海外では少し定義が違います。
USドル建てとローカル通貨換算で、日本の富裕層の数はギャップが大きい
多くの海外統計では米ドル換算で計算をすることが一般的です。そのため、ローカル通貨で換算した際とズレが非常に大きくなり、その差は日本は最も大きくなる先進国の一つなのそうです。コロナ後に円安が進み、日本国内でローカル通貨で換算した場合は富裕層の数がかなり増えたのに関わらず、米ドル換算ではあまり伸びていないようです。
また、超富裕層の定義が海外でも統計によりまちまちで、ミリオネアの次は一気にビリオネアで換算する場合もあります。富裕層、超富裕層の定義はコラムや調査によってまちまちなので確認するようにしたいところです。