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【日経BP社、近刊】「強い円」はどこへ行ったのか

リスクオフの円買い、安全資産としての円買い、これに伴う円高不況など「円高」というものが日本経済の宿痾であり、最も恐れるべき現象だと言われていたのがまだわずか10年前です。

ですが、2020年以降のパンデミック、とりわけ2022年春以降の円相場は対ドルで見ても、実効ベースで見ても「底抜け」と言っても良いほどの下落に直面しています。対ドルでの年間値幅は本稿執筆時点で35円を突破していますが、これは「円安の年」としてはプラザ合意以降で最大となります。

筆者のnoteをお読み頂いている読者の方々は周知の通りかと思いますが、2020年秋以降、私はそれまでの円高見通しを円安見通しに一転させました。その経緯は色々ございますが、日本の情緒的かつ過剰な防疫政策が日本の経済の成長率を突出して削いでおり、これが金利や物価の格差に跳ねてくる以上、円を手放す流れは避けられないだろうと感じたことが大きかったです。

日々のニュースを見ても、家計レベルでその危機感は行動に反映され始めているような印象もあります:

このあたりの基本認識を元に、目先の円安・円高動向はさておき、今後10年、20年を展望した時に日本経済、とりわけ日本円はどこへ向かっていきそうなのかを簡単に1冊の本としてまとめさせていただきました。現状、私が考える日本円の実情や展望をすべてここに収めたつもりです。本著は予想・予測の類ではなく、今起きていることの背景をできるだけ基礎的な経済指標をもとに解き明かそうとしたものです

円安が社会問題になる中、このタイミングでこの本を出せたことを幸せに思います。できるだけ多くの人々に手に取って頂き、忌憚のないご意見を頂戴賜れれば嬉しいです。

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